私がドイツに留学して思ったことがあります。それは、
「人と人との近さ」
知らない人ともすぐに打ち解けてしまう。
人とのコミュニケーションを楽しもうとする姿勢。
たとえば、スーパーで買い物をします。
お客さんもレジの人も目を合わせて「こんにちは」と微笑み合います。
支払いを済ませ、レジから離れるときには、
「今日もよい一日を!」「ありがとう、あなたもね!」
とお互いが声をかけ合う。
留学した当初、私はこれに戸惑いました。どのお客さんも常連なのか? みんな知り合いなのか…?
もちろんそんなことはなく、微笑み合い、声をかけ合う。
今日という日が素敵な一日であるように、お互い願う。
それが、当たり前の習慣となっている。
それが、人生を楽しむことにつながると知っているのでしょう。
留学中、私は学生寮に住んでいました。
寮ではたくさんの学生とすれ違います。
5階に住んでいた私は、階段を毎日駆け上がるのが日課。
上階に住んでいるぶん、寮の学生達とすれ違う機会も多かった。
そんなときは、必ず「ハロー」と挨拶し合います。
しかもただ言うのではなく、彼らは必ず「笑顔」。
それがあまりに自然なので、自分もつられて笑顔になります。
笑顔ですれ違ったあとは、当然、笑顔で部屋にもどってきます。
笑顔で練習室に行くことになります。
つまり、誰かに会うと「笑顔」になる。そしていい気分になる。
これからすることに、ちょっといい感情でのぞむことができる。
たった1回、笑顔になるだけで、その日が一瞬でいい日になる。
本当にいい習慣だなと思っていました。
残念ながら、日本ではそうした習慣はあまりないように思います。
でも、人がやらないからやらないのは、もったいない。
最初は挨拶すらしてくれないかもしれない。
してくれたとしても、無表情かもしれない。
けれども、もしかして自分の笑顔でその人も笑顔になるかもしれない。
次に会うときには笑顔になってくれるかもしれない。
もしかして私の笑顔で、その人の一日は僅かでもいいものになるかもしれない。
何かをしてもらったら、笑顔でありがとうと言ってみる。
目が合ったら微笑むことを習慣にしてみる。
何より、自分の気持ちがちょっとだけ上向きになる。
それだけでも、やる価値はあるかな、と思ったりします。
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