前回は「ピアノの練習の習慣化」の話題でお伝えしました。
記事へのアクセスも多く、やはり「習慣化」という
キーワードはご興味あるところなのだろうと感じます。
そこで今回も、ちょっと同じテーマについて
考えてみたいと思います。
■習慣化の代表例といえば…
私たちが毎日、当たり前のようにやっていること、
これはいわば「習慣化」できていること、ですね。
代表例といえば「歯磨き」でしょうか。
食事の後、寝る前には、誰に言われなくても
当然のように、歯を磨いています。
また私の子どもの例を出して恐縮なのですが、
年中の下の子のことです。
彼は、歯磨きが習慣化していません。
言われてもやらないので、こちらが強制的に磨きます(笑)
これは、単に面倒くさいということもあると思いますが、
「なぜ歯を磨くのか?」という部分を理解していないから、
という面が大きいように思います。
歯を磨くことの大切さや、磨かないとどうなるのか?
そういう部分を「知識」として身に付けていない。
だからこそ、この点をしっかり説明して、
まずは分かってもらうことが重要だと思っています。
(これもなかなか伝わらず苦労していますが…)
■ピアノの練習の習慣化も?
毎日ピアノの練習をする、といった習慣化も、
「なぜそれが必要なのか?」
の部分が腑に落ちる、あるいは自分のなかで、
メリットと感じることが重要だと思います。
ただ、毎日練習するのがいい、とわかっていても、
行動に伴っていないことも多いわけです。
お母さんに何度も「毎日練習するのが大切よ」と
言われれば、子どもたちも頭では理解できているはず。
でもそれが実践できていない。
「知識」はあるけれど「行動」に移せていないわけです。
ただ、練習が習慣化している子は、それほど
苦労せずにピアノに向かうことができている。
それはなぜか?
■習慣化の流れを考えてみる
ここで「習慣化までの流れ」を考えてみることは
有効かもしれません。
【1】「知っている」
↓
【2】「できる」
↓
【3】「やっている」
最初の【1】の「知っている」は知識の部分ですね。
ピアノは毎日練習するのが大事、うまくなる、
ということを知っている状態です。
【2】は、知っている段階から、行動に移す、
「できる」というレベルです。
お母さんが何とかピアノに座らせて、
練習はできている、みたいな感じでしょうか。
さて、この【1】と【2】については、当事者の子どもは、
「意識レベル」での行動といえます。
もしかしてイヤイヤやっているかもしれません。
でもこれはまだ「習慣化」の段階ではありませんよね。
大切なのは【3】の「やっている」という段階。
【2】を繰り返し繰り返し、手を変え手段を変えて、
続けていくことによって、
「普通に(当たり前に)やっている」
というレベルにまで高まってくる。
いわば「無意識」のレベルにまで上げられれば、
先ほどの「歯磨き」と同レベルになれるわけです。
■ではどうすればいいのか?のヒント
ただ、ここまでのことは誰もが思うことで、
それができれば苦労しないはずですよね。
そこで習慣化のヒントをいくつか挙げると、
●何かとセットにする
●その先に目的をつくる
●誰かに喜んでもらう
これらは拙著にも書いたかもしれませんが、
あらためてご紹介してみます。
●何かとセットにする
これはかなり有効ですね。歯磨きも、
「食事をする⇒歯を磨く」
のセットになっているからこそ行動しやすいし、
その結果「磨かないとキモチ悪い」になるわけです。
私の子ども時代の例で恐縮ですが、
「学校から帰る⇒ピアノを練習する」
これがセットになっていました。
もちろん最初は母親の強制です(笑)
最初はイヤイヤながら、それでも続けることで、
「(当たり前のように)帰ってきたらピアノはすぐ練習するもの」
という無意識レベルにまで高まりました。
ピアノの「朝練」をしている子もいますが、
これも「朝起きる⇒ピアノの前に座る」のセットですね。
最初は強制されてのものかもしれませんが、
「それが当たり前」の領域までくると最強ですね。
●その先に目的をつくる
これも私の事例ですが、子どもの頃、野球に夢中だったため、
帰宅後すぐにでも公園に飛んでいきたいわけです。
ですが、これも母親から強制的に
「ピアノを練習する⇒野球にいく」
という指令が下っておりました(笑)
つまり「ピアノの練習の先に目的がある」状態。
逆にいうと、練習さえすれば大好きな野球に行ける。
だから頑張るわけですが、これも続けていくと、
「それが当たり前」のレベルにまできます。また、
「学校から帰る⇒ピアノを練習する⇒野球ができる」
というセットにもなっていますね。
●誰かに喜んでもらう
きちんとピアノを練習できたとき、お母さんに、
満面の笑みで「毎日練習できてえらいね~!」と褒められれば、
小さい子であれば、純粋に嬉しいでしょう。
褒められることが喜びにつながり、明日もやろう、
という行動に結び付くことはあると思います。
ピアノ教室での、先生の一言とかシールのご褒美、
毎日の練習表のチェック、などもそうでしょう。
最初は、褒められることが目的かもしれませんが、
ある時から褒められなくてもやるようになる。
これは、ピアノの練習が習慣化したサインでしょうね。
■最強の習慣化は…
長くなってきたのでこの辺にしますが、
何といっても最強の習慣化は、
「それが好きであること」
でしょう。好きであれば誰が何と言おうとも、
やめろと言ってもやるでしょう。
ピアノが大好きな子を育てることは、
指導者として大きな目的であり希望ですよね。
ピアノを続けることで、本当にたくさんの
学びやギフトを与えてもらえる。
「ピアノが大好き」の先にあるものの喜びや、
心の豊かさを知っている一人の人間として、
どの子も「ピアノ好き」に育てていきたいですね。
それでは最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
いつも本当にありがとうございます。
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