いつもこのブログをお読みいただき、
ありがとうございます。
株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。
今日ご紹介するのは、
という書籍です。
ピアノのテクニックを論じた本や理論書などは
本当にたくさん出版されています。
それは、少しでも自分の演奏を高めたい、
少しでも何らかのヒントを得たい、
そういう意欲に満ちた人が多いからに違いありません。
今回は、演奏と指導のための指南書のご紹介です。
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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「はじめに」から引用すると、
「本書は(中略)芸術的表現において
理論とテクニックをどのように結びつけ、
大成させるかという、実践、実習の手助けを
目的として書かれています」
とあります。
書籍に「新版」とあるように、本書は、
1995年の初版以来、版を重ねてきた、
「ソアレスのピアノ講座~音の世界~
演奏と指導のハンドブック』
を加筆・再編集した書籍。
もとは全国で展開していた「音の世界」という
講座の録音テープをおこしたものとのこと。
「はじめに」にもあるように、その講座の内容が、
「若い学生から優れたプロのレヴェルの音楽家まで」
という広い対象者だったため、多くの学習者の
ガイドになり得る書籍と言えるでしょう。
本書の内容を目次からお伝えしてみましょう。
[目次]
はじめに
講義にあたって
第1章 楽譜の解釈について~正しい楽譜の読み方と表現~
I 音楽と言葉
II 表現力を豊かにするために
III 楽譜の解釈~作曲家が伝えたかったものを読み取る~
IV 解釈の実際~楽譜を読むうえで着目すべき点~
第2章 音色とタッチ~美しい音を出す理想的なタッチ~
I 音の循環
II 自分の身体を道具としてどう使うか
III 音色とタッチ
IV 解釈したものを表現する
第3章 レッスンのアウトライン~教育的なポイント~
I 指導のポイント
II いろいろな練習曲とその目的
III よい手の形を作るには
IV 指を強くするには
V 練習の実際~バーナムピアノテクニックを使って~
VI 初見ができるようにするには
第4章 ソアレス流音楽教育
I 音楽教育が目指すもの
II 発達段階に合わせてすべきこと
おわりに
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◆(2)演奏する人、教える人に有益なアドバイスが満載の一冊
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ピアノ演奏に関しては、常に作品に対して、
そして自分に対して誠実であること、
自分が出す「一音」に責任を持ち、
なぜその音をそのように出したのか、
その「根拠」をいつも考え続け、探求する。
こうしたことはとても大切でしょう。
そのためにも、常に自分を高めようという意識を持ち、
学びに対していつも謙虚な姿勢で向き合う。
一流の演奏家が、成長し続けられるのは、
そういうマインドがあるからでしょう。
本書は、ピアノを弾く人、教える人にとって、
さまざまな示唆を与えてくれる書籍。
方法論にだけ偏ることなく、精神面や考え方にも
重点を置いているところは特筆すべきでしょう。
私が本書を読んで、心に残った箇所を
ご紹介してみると、
「たとえ技術的な訓練を指導するときであっても、それが
音を使った芸術表現の手段であることを常に認識させていきたい」
「しっかりした楽曲分析ができれば、どうしたら
よいかわからないということはありえない」
「私はピアノの技術の根源は、
円滑な音の循環であると思っています」
「教師が生徒に対し最終的に教えなければならないのは、
『自分で自分を磨く方法を見つけること』なのです」
「最も大切なのは、強く弾いたり無理をして弾いたり
するのではなくて、よく『指を感じて』固定の程度を
コントロールすることです」
「基本的に弾く動作の99パーセントは、手、腕、
指がリラックスしている状態であるはず」
「生徒には時期によって『自由』『要求』『制限』を
与えることが大切です」
本書のよさは、とにかく「読みやすい」こと。
ピアノ演奏という言語化しづらい内容を、
ここまでていねいに分かりやすく解説しているのは、
読者にとって、これほど幸せなことはないでしょう。
ピアノを弾く人、教える人にとって
有益なアドバイスが詰め込まれた一冊。
ご興味があれば、ぜひお手に取ってみてください。
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『 演奏と指導のハンドブック 』 クラウディオ・ソアレス・著
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◆(3)編集後記
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各地での大雨による被害、
ニュースを見るたびに心が痛みます。
被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
たいへんな思いをされた先生、そして
生徒さんもきっと多いかと思います。
一日も早く平常通りの生活に
戻られますことを心よりお祈り申し上げます。
それでは今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
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