★メルマガ「成功するピアノ教室」vol.208(2012年6月30日配信)より
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【メインコンテンツ】~ピアノの先生は優秀な「船長」であるべき~
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先週号では、
「教室を盛り上げるためには『スター』の存在が重要」
という内容をお伝えいたしました。
今回も、嬉しいことにいろいろとご感想をいただきました。
そのなかで、なるほどなご意見がありましたので、
ご紹介しつつ、教室と生徒の関係について考えてみます。
■こちらの先生の教室の「スター」は…
いただいたメールによると、こちらの先生の教室の
「スター」は、大人の男性の生徒さん。
その方が学生の頃から教えてらっしゃるそうで、
ピアノは趣味で習っているそうです。
人柄がよく、見た目は草食系男子(笑)でとても真面目な方。
けれども、その優しい見かけによらず、
激しい曲が好きというギャップがあるそうです。
そういうこともあり、同じ教室に通う中学生の生徒さん達が、
彼をお手本にしているようですね。
■ギャップは人を惹きつける?
ここでのポイントだと思うのは「ギャップ」の部分ですね。
イメージと違った部分が見えると、
人はそこにギャップを感じます。
この大人の生徒さんの場合、優男なわりに
弾く曲はいつも激しい曲。
女性はもちろんのこと、男でもそうした姿に
憧れを感じることはあると思います。
そのギャップが人を惹きつけるポイントになる、
ということは少なくありませんね。
■「スター」は複数いたほうがいい
また、こちらの先生のご意見によると、
「スターは、一人よりも複数いるのがベスト」
ということでした。
前回お伝えしましたように、教室にスター的な生徒が
いると、相乗効果で周りも良くなってくることは、
大いにあることです。
そうした生徒が一人いるだけで、教室の雰囲気は
大きく変わってきます。
そこで、もしこれがスターが複数いる場合。
相乗効果は、さらに期待できることでしょう。
たとえば、静かな水面に小石を1つ投げただけでは、
当然広がる波紋はひとつです。
けれども、いくつかの小石を投げ入れれば、
それだけ多くの波紋が広がります。
波紋と波紋がぶつかって、さらに水面の様子は
多様に変化していきます。
これと同じように、スター的な生徒が増えれば、
教室内に、少なからず多様な反応が生まれます。
■重要なのはそれをコントールする我々の力量
ただ、気をつけなければいけないのは、そうした
スター的な生徒の「影響力」の部分です。
周りの生徒が感じるものは、憧れだけであれば問題
ありませんが、そうでない場合もあるでしょう。
そこに嫉妬や「どうせ自分には無理」という
ネガティブな反応が起こることもあります。
そこで重要になってくるのは、
「我々ピアノ講師のコントロール能力や力量」
の部分です。
スター的な生徒の存在を生かすも殺すも、
我々の持って行き方や「力量」に関わっています。
そのうえで、教室に通う全ての生徒を上手にまとめて、
全体として良くなるように持っていくこと。
これはとても大事なことだと思います。
■平等でかつ、どの生徒も特別に
いつもお伝えしているように、教室運営で大切なのは、
「平等であるけれど、どの生徒も特別に扱う」
ということです。
このことは矛盾して聞こえるかもしれませんが、
大切なことだと私は思っています。
どの生徒さんも同じように大切に、そして、
不公平なく「平等」に扱うことは大前提。
そのなかで、一人ひとりに対しては、
「あなただけ」という特別感を持って対する。
それが「全体」の調和を図りながら、
「個」を尊重する(伸ばす)ことにつながる。
私も中学校の非常勤講師の経験があるので
分かるのですが、こうした感覚は大切です。
そして、それは一重にコミュニティを統率する
先生の「力量」に依存されています。
■まとめ
だからこそ、我々ピアノ講師は「教える」こと
だけが長けているのでは足りない。
それ以外の統率力や、周りを調和させる力、あるいは
「カリスマ性」に近い能力も必要となるのでしょう。
教室が一隻の船だとしたら、たくさんの人を乗せて、
目的地まで先導していく船長が「先生」です。
どんな荒波や予想外の困難も上手に乗り越えて、
目指す「教室像」に向っていく優秀な船長。
それが、我々ピアノ講師に与えられた役割、
なのかもしれませんね。
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