いつもこのブログをお読みいただき、
ありがとうございます。

株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。

今日ご紹介するのは、

「あの子がピアノをやめた理由」

という書籍です。

出版が1991年、27年前の書籍ですね。
当時は相当な売れ行きだったと聞きました。

今回は、ピアノのレスナー物語のご紹介です。

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◆今日のチェックポイント◆
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巻末の「あとがき」から引用すると、

「この本をまとめたのは、理想化されてはいるけれども、
ひとりのレスナーの実際のレッスンを追ってみることで、
先生方に『レッスンとはなにか』を考えるきっかけに
してもらおうと思ったのだが、それと同時に、ピアノを
習わせている母親たちへの、ひとつの手がかりにも
なればということも願ってのことであった」

とあります。

著者は、2010年にお亡くなりになった、
音楽学者、音楽教育学者の千蔵八郎先生。

武蔵野音楽大学の名誉教授でもあられました。

著書も多数で、ピアノを指導する方であれば、
知らない先生はいらっしゃらないでしょう。

本書の帯には、

「音大の名物教授が、ある女性教師の情熱に託す
スーパー・エッセイ風レスナー物語」

とあります。

本書は、ゆう子という中学2年生の子がピアノをやめる、
と先生に告げるところから始まります。

優秀な子だけに、厳しいレッスンが原因ではないか、
と不安になるピアノ教師、藤堂茉莉子。

その、女性教師のレッスンを通して、
ピアノ指導とは何かを考える一冊です。

本書の内容を目次からお伝えしてみましょう。

【目次】

なんだかむなしくなったんです…
思春期・ピアノをやめたくなるとき
レッスン室の子どもたち
家庭レッスン事情
子どもの領分
ある日のレッスン風景
ピアノ教育再考
レスナーズ井戸端会議
戻ってきたゆう子
望みあれば悔いなし
モノローグ
あとがき

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◆(2)27年前に発売されたエッセイ風レスナー物語

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世の中には、本当にたくさんの
ピアノ指導者がいらっしゃり、

それぞれにストーリーを刻みながら、
毎日のレッスンをされています。

喜びや不安、葛藤…
どれ一つとして同じ物語はなく、

日々、レッスン室で様々なストーリーが
生まれていると言えるでしょう。

本書は、ある女性ピアノ教師の
レッスンや考えを通して、

「ピアノ教育とは何か?」

を物語を読みながらあらためて考える一冊。

帯に「エッセイ風レスナー物語」とあるように、
小説仕立ての構成になっています。

お伝えしたように、本書は27年前の出版。

時代的に、現在のレッスン事情とは
違っている部分もあることは否めませんが、

本質的な部分は変わっていないと感じます。

本書を読んで心に残ったフレーズをご紹介しましょう。

「音っていうのはね、あなたは、ただの音だと
思ってるかもしれないけど、本当は言葉と同じことなのよ」

「なぜ、そういった違う勉強をさせたかを、
やはり先生が説明してやることは必要だろう」

「それにしても、子どもを教えるというのは、むずかしい。
もしかすると、音大生を教えるのよりむずかしいんじゃないかな」

「子どもの心に、練習に没頭できるような余裕を、
たえずつくり出してやることが必要なのである」

「他人の痛みがわからないようでは、
人を教えることはできない」

「そういう母親込みの教育というのが、
子どものレッスンのむずかしさではないだろうか」

「いつも、そうした可能性のある子どもを
教えてるっていう自覚が必要なんじゃないかな」

「レッスン室が空港の滑走路で、飛び立ったり、降りて来たり
する飛行機が生徒で、それをコントロールするのが先生」

私たちの毎日のレッスンで生まれている物語。
どの物語にも共通するのが、

「子どもたちをもっと良くしたい」

というピアノ指導者の情熱でしょう。

たえず自分を磨き、ひとつでも多くのことを
子どもたちに伝えようと努力する。

そうした当たり前のことこそ大切なのでは、
と本書を読んであらためて感じました。

ご興味のおありの先生は、
お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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『 あの子がピアノをやめた理由 』 千蔵八郎・著

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◆(3)編集後記

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今回ご紹介の「あの子がピアノをやめた理由」

そして、作曲家の春畑セロリ先生による、
「白菜教授のミッドナイト音楽大学」

ピアノ教育業界では、ほぼ類書のない、
「物語」で学ぶ書籍です。

前回お知らせした、今秋出版予定の私の新刊、

「夢をかなえたピアノ講師~ゼロからの180日」

テイストもテーマも違いますが「物語で学ぶ」
というジャンルに挑戦した一冊となっています。

上記の素晴らしい書籍には、足元にも及びませんが、
一つでも何かを感じていただけるように、

と出版日まで努力を続ける日々です。

よろしければ、新刊についてこちら
まとめましたのでご覧くださいね。

↑新刊の「第1話」も特別に無料公開!

それから、明日7/26(木)は札幌にてセミナー。

皆さんとの充実した時間になればと
思いますので、ぜひご参加くださいね↓

★7/26「時間管理術」島村楽器 札幌クラシック店内ラウンジ内

それでは今日も最後までお読みいただき、
本当にありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

↓藤拓弘のWeb連載小説がこの秋に書籍化決定!(第1話の無料公開も)

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「ピアノ講師ラボ」次回予告ページ

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