いつもこのブログをお読みいただき、
ありがとうございます。
株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。
今日ご紹介するのは、
「バルトークの民俗音楽の世界~子供のためのピアノ作品を題材に」
という書籍です。
2015年に没後70周年を迎えたバルトーク。
最近では、コンクールの課題曲に
取り上げられる機会も増えてきました。
今回は、バルトークの子供のためのピアノ作品を
題材にした書籍のご紹介です。
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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「はじめに」から引用すると、
「バルトーク作品に関わるたびに、その曲の中にある
民俗音楽の要素や雰囲気の正体をつかもうと、いちいち
参考文献を読みあさったり、セミナーで勉強しないと
いけないのでしょうか。こうした基礎知識を効率的に
習得する方法はないのでしょうか。私はあると思います
(中略)その一つを提示するのが本書です」
とあります。
著者は、バルトーク研究の第一人者であり、
鎌倉女子大学准教授でいらっしゃるパップ晶子先生。
「あとがき」にもあるように、本書は、
2005年11月から「ムジカノーヴァ」にて約2年連載した
「もっと知りたい!バルトーク」を単行本化したもの。
本書では、バルトークが民俗音楽の
採集旅行をおこなった時代の話から始まり、
「子供のために1, 2」や「ルーマニア民俗舞曲」など、
バルトークの子供のためのピアノ作品を題材にして、
ハンガリーやルーマニア、スロヴァキアの
民俗音楽の特徴や演奏法を詳しく解説。
譜例や写真、イラストも豊富に掲載しています。
本書の内容を「目次」からご紹介してみましょう。
はじめに バルトーク作品に強くなるために
序章 ハンガリー人は私たちと同じアジア起源
■5音音階発見の感動
■ハンガリーの伝統を継承するセーケイ人
■味わい深い古風な旋律
第1章 ハンガリー民謡の世界
■3つのグループ
■感動の名曲
第2章 ルーマニアの器楽の旋律とコリンダの世界
■ルーマニア民俗音楽に夢中になったバルトーク
■ルーマニア人のルーツ
第3章 スロヴァキア民謡の世界
■スロヴァキアは民謡の宝庫
■《子供のために1》ハンガリー編と《子供のために2》
スロヴァキア編の特色の違いとは
■《子供のために2》に出てくる歌のジャンル
あとがき
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◆(2)バルトークの作品を演奏、指導するならこの一冊
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かつて私は、バルトークの舞踏組曲やピアノソナタに
挑戦しようとしたことがありましたが、
私の力量では到底歯が立つはずもなく、
あえなく挫折しました。
ただ、それは単にテクニックが足りなかっただけでなく、
そもそもバルトークとはどういう作曲家なのか、
バルトークの旋律構造や音階、リズム、イントネーション…
そうしたものをひとつも理解せずに楽譜に
向き合ったことが大きな原因だったと今思います。
本書は、バルトークのピアノ作品を題材に、ハンガリー、
ルーマニア、スロヴァキアの民俗音楽の基礎を解説した本。
たとえば「子供のために」などをレッスンで取り上げる際に、
どのように指導したらいいのか…
バルトークがベースとした民俗音楽の世界とは
どんなものだったのか…
そうした疑問に対しての「答え」を、
分かりやすく説明しています。
なにより、著者のパップ晶子先生がピアニストでもあり、
それだけに演奏の際のアドヴァイスも満載です。
特にこれから、
●子供のために1・2
●ルーマニア民俗舞曲 全曲
●ルーマニアのクリスマスの歌
●15のハンガリー農民歌
をレッスンで取り上げたいと思っている先生には
この上なく活用できる書籍と言えるでしょう。
バルトークという作曲家や作品のファンの方はもちろん、
ご興味のある方には手元に置いておきたい一冊。
ピンときた先生は、一度お手に取ってみてはいかがでしょうか。
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◆(3)編集後記
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今回ご紹介の書籍の著者のパップ晶子先生。
いよいよ来月9月号の「ピアノ講師ラボ」にご登場です。
タイトルは、
「パップ晶子先生が語る!バルトークの作品の魅力とピアノ指導の秘訣」
最近は、コンクールの課題曲としても
取り上げられる機会の多いバルトーク。
ただ、バルトークというと、どことなく難しいイメージや、
指導の仕方で悩む先生も少なくないでしょう。
そこで今回の対談では、バルトークの魅力に迫りつつ、
レッスンでの具体的な指導法、
また、おススメの作品なども具体的な演奏を
交えていただきながらお話くださいました。
バルトークという素晴らしい作曲家の、
知らなかった世界に出会えるでしょう。
今日からのレッスンで活かせる実践的な
お話ばかりですので、次号もぜひご期待ください。
なお、パップ先生の対談が聴けるチャンスは、
「8月31日までにご入会の先生」だけ。
この機会をぜひお見逃しなくご活用くださいね。
それでは今日も最後までお読みいただき、
本当にありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
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