これまで、数えきれないほどのピアノの先生と出会ってきました。
そのなかで気づくことがあります。
笑顔で充実したレッスンライフを送っている先生には、
「ある共通する点」があることです。それは、
「与えることに喜びを感じる」
たとえば、自分が時間と労力とお金をかけて培ってきた、
レッスン法やレッスンアイデア。
普通であれば、それだけの投資をして獲得したものは、
自分だけのものにしたい。他には出さないようにする。
それが普通なのではないでしょうか。
けれども、そんな貴重で価値ある情報を、
惜しげもなく周りの先生に伝えている。
おそらく、根底にあるのは、
「自分がいいと思ったことは誰かに伝えたい」
という思いだけでしょう。
こういう先生は、「与える」ことを自然とできる人です。
「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、
こうした先生の周りには、同じような先生が集まってくる。
同じように与えることが好きな人が集まってくるのです。
「与える」というと、お金や物というイメージが強いかもしれません。
でも、先ほどのような「情報」も、それと同じあるいは
それ以上の価値を持っていることも少なくありません。
さらに、与えるものは「見えないもの」でもいいのです。
たとえば、人を勇気づけるような言葉。
心がホッとするような優しい言葉。
ちょっとした微笑み。
相手を思う気配り。
ありがとうのひと言。
そうした誰にでもできるちょっとしたことでいいのです。
もっと言うと、「今、自分が与えられるもの」だからこそいいのです。
母親が赤ちゃんに微笑みかけるような、
見返りの一切ない、ただそうしたいからという気持ち。
それが結果的には、自分の心を穏やかにしてくれる。
自然に与えることができる人は、
まわりまわって「自分に返ってくる」。
もしかしてそのことを知っているのかもしれませんね。
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