いつもこのブログをお読みいただき、
ありがとうございます。
株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。
今日ご紹介するのは、
という書籍です。
ピアノ関係の人であれば知らない人はいない、
伝説的なピアニスト、ホロヴィッツ。
今回は、そのホロヴィッツが愛した
スタインウェイ・ピアノに迫りつつ、
ピアノという楽器の可能性を追求した
書籍のご紹介です。
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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「まえがき」から引用すると、
「20世紀末のニューヨークにはまだ、
クラシック音楽が華やかだった頃の
残り香がありました。本書は、私が見た
その最後の光景だったと言えるでしょう」
とあります。
本書は伝説的なピアニスト、
ウラディーミル・ホロヴィッツが愛した、
「スタインウェイ〈CD75〉」
の秘密を明らかにしつつ、クラシック音楽や
調律師という仕事にまで言及した書籍。
著者は、調律師であり、
ピアノ・プロデューサーの髙木裕氏。
「まえがき」にもありますが、本書は、
「音楽の友」の2015年1月号~2017年4月号にて
3年3カ月の間、連載された、
「調律師から見たピアノと音楽」
を抜粋、校正、加筆したもの。
著者のこれまでの経験や知識を豊富に盛り込みつつ、
ホロヴィッツのピアノをはじめとする、
スタインウェイ・ピアノの秘密に迫り、
さらに最終章では「調律師」という
仕事や役割についても言及しています。
本書の内容を「目次」からご紹介してみましょう。
目次
まえがき
第1章 ホロヴィッツ・ピアノの秘密を求めて
ホロヴィッツのピアノに秘められたロマン派のピアニズム
ホロヴィッツの運命のピアノ
ホロヴィッツが見せた本音
大ピアニストたちの嫉妬を買っていたホロヴィッツ
“ニューヨーク”は邪道?スタインウェイ戦争の時代
COLUMN
ホロヴィッツ・ピアノの音を可視化する
第2章 かつてのスタインウェイ本社C&A部
スケールの違いを見せつけた本社C&A部
巨匠時代の最後を看取った調律師の言葉
製造番号から紐とく巨匠たちのピアノ
名器は感触や感覚によって作られる
スタインウェイ社の仲間たち
フランツ・モアでさえ釘を刺された、あの頃の日本
COLUMN
戦争を見たスタインウェイ
第3章 調律師がピアノをプロデュースする
ピアノ調律師は絶対音感の持ち主?
レコーディング現場、コンサート・ステージを支える調律師
聴力を失ったベートーヴェンの頭の中で鳴り響いていた音は
熱狂の嵐に包まれた浜離宮朝日ホール
サントリーホールが興奮のるつぼと化す
究極を目指していた時代のピアニストたち
ロマン派の時代はピアノ開発の歴史
COLUMN
第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで快挙!
あとがき
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◆(2)巨匠が求めた音色とピアノの秘密に迫る
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私も音大時代、友人に触発されて、
ホロヴィッツの演奏に熱狂していました。
爆音なのに決して割れない豊かなフォルテッシモ、
そして、究極に美しいピアニッシモ…
心地よいノンレガート、そして壮大な音楽。
彼が使っていたのがスタインウェイであることは
もちろん知っていたものの、
その背景にあるもの、秘密にまでは、
足を踏み入れることはありませんでした。
そこで本書。
巨匠ピアニストが求めた音色、
それを実現させるための職人たちの努力、
輝く舞台の裏で活躍する調律師の姿までが見える、
非常に興味深い一冊です。
個人的には、ホロヴィッツ・ピアノの
音を可視化したデータや、
スタインウェイ・ピアノの出生時の秘密がわかる
「戸籍謄本」とも言える製造番号について、
またコラムにあった、戦地の最前線で戦う兵士の
慰問用に作られた小型のスタインウェイ、
さらに、ショパンが愛したプレイエルに
ついての部分は興味深かったですね。
ホロヴィッツのファンの方や
ピアノ愛好家の方はもちろん、
ピアノ指導者が読んでも、新しい発見が
ある一冊ではないかと思います。
ご興味がおありの先生は、
一度お手に取ってみてはいかがでしょうか。
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◆(3)編集後記
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弊社の「ピアノ講師ラボ」。
来月8月号にご登場は、世界的にご活躍の
ピアニスト黒田亜樹先生です。
ミラノ在住の黒田先生ですが、貴重なご帰国の
タイミングをいただいての収録となりました。
「身体とテクニックの基礎を固めるピアノレッスンの秘訣」
といったタイトルで、イタリアの音楽事情から
テクニック指導の詳しいお話まで満載です。
なによりお話が楽しい黒田先生、
きっとあっという間に惹き込まれるでしょうね。
こちらではサンプル音声もご用意しておりますので、
よろしければお聴きになってみてください。
今日も最後までお読みいただき、
本当にありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
★次回2019年8月号は世界的ピアニストの黒田亜樹先生との対談!
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