結婚して3年ほど経った頃のことですから、
もう10年前になるでしょうか。
夫婦で京都へ旅行に行ったんですね。
そのころはまだ子どもがいなくて、
2人で京都のお寺を回ったりしていました。
それで、夕食はどこで食べようかなと、
ある先生がおすすめされていたお店に行きました。
京都タワーの近くだったように記憶しています。
落ち着いた雰囲気の京料理のお店で、
一つひとつの料理が美味しかったです。
それで、たぶん当日割引き目当てかなにかで、
会員登録をしたと思うんですね。
(思うというのも覚えていないので…)
京都旅行から帰ってきて、しばらくして、
ダイレクトメールのハガキが届きました。
次回の季節料理のご案内、みたいな、
よくある飲食店のDMです。
「東京に住んでる人にも送るのか…」
ハガキの裏表を見ながら、
「でも京都はなかなかいかないしね…」
とそのお店を思い出すくらいで、
終わってしまいました。
■あれから時は流れ…
……で、あれから10年経った今。
まだ来るんです!!そのお店からDMが!
年に2、3回、キッチリと!
デザインも10年前のまま、キッチリと(笑)
10年と言えば、赤ちゃんだった子が4年生ですよ!
小学4年生の子は大学2年生になってますよ。
それだけの長い年月、ハガキを出し続ける…
そのことに、私は微細な感動を覚えるわけです。
とはいえ、ダイレクトメールですから、
もちろん宛名はシール印刷。
おそらく、業者さんに委託しているのでしょう。
京都だけに、また旅行に来たときにでも…
ということで送り続けているのでしょう。
いずれにしても、10年間送り続ける気概に、
私は微細な感動を覚えるわけです。
■継続する人に感じる何か…
10年間送り続けていただいて思うのは…
もちろん、お店の名前も
バッチリ頭にインストールされているので、
今度京都に行ったときに、私の脳内検索で
上位に躍り出る可能性は大でしょう。
また、あくまで集客のための
ダイレクトメールだとしても、
これだけの長い間、必ず年に数回、
コミュニケーションをとっていると、お店側の、
「一度でも来てくださった
お客様とのご縁を大切にしたい」
という「思い」を感じてくるわけです。
「せっかくだから、今度京都に行ったときに…」
みたいな思いもちょっとよぎるわけです。
すごいなと思うのは、1通や2通送るのは、
きっとどのお店でもできると思います。
でも、10年間送り続けるという、
そのシステムを作り上げていること、
そして、それを継続していること。
(しかも、送られてイヤな感じじゃない
モノを送り続けているという点も)
最近は、飲食店もたいへんな時代で、
あっという間に無くなるお店もありますよね。
10年続くというのだけでも、
すごいと言える時代でしょう。
ただその背景には、見えない努力というか、
誰でもできそうでできないことというか、
変えていく勇気や、変わらない良さ、
みたいなものが必ずあると思います。
■贈られたカードに思う
ピアノ教室でも、生徒さんの誕生日に、
毎年バースデーカードを贈る先生も。
あんなに小さかった子も中学生。
毎年、先生から贈られてくるカード。
それを手に取りながら、お母さんは何を思うでしょう。
生徒さんは何を思うでしょう。
継続している人に対してしか抱かない、
ある「特別な感情」がきっとあるでしょう。
そういう部分って、どの業種、職種、
もっと言えば、どんな人間関係でも、
すごく時間はかかるんだけれども、
やっぱり大切に育んていきたいもの。
そこに「何か」を感じる人は、
かならずいるわけですから。
それが「続けること」が与えてくれる、
「ギフト」なのかな、と思ったりするのです。
最後までお読みいただき、
本当にありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
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