今回も、過去のメルマガのご紹介。
気になる「月謝」について、2010年10月2日の記事です。
【メインコンテンツ】~月謝の値下げは、教室の価値を下げる~
今号では、
「月謝を下げると、教室の価値が下がる」
ということについてみていきたいと思います。
■月謝を値上げできない教室
「私の教室では、月謝は20年間値上げしていません」
驚くことに、こうした教室も少なくありません。
物価が上がっているにも関わらず、据え置きですから、
今の時代の月謝としては非常に安価です。
これで良好な運営ができているのであればいいですが、
いろいろと問題もあるのではないでしょうか。
さて、なぜ月謝を上げないのか?という点。
おそらく多くの場合、月謝の価格を上げると生徒が集まらなく
なりそうで怖い、という恐怖心からでしょう。
確かにお金に関する問題は切実です。
ですが、これからのピアノ教室経営において、
月謝は「シビア」に考える必要があると思っています。
なぜなら、月謝に関することは、教室の「ブランド化」や
「価値」に密接に関わってくるからです。
今号ではその点について少し考えてみたいと思います。
■選ばれる理由は「安いから」で本当に良い?
世の中を見まわしてみると、不況でモノが売れないことで、
「大幅値下げ!」「価格破壊」という文字が氾濫しています。
確かに価格を下げれば、モノは売れるようになります。
「安い」ということに価値を見出す人にとっては、
値下げは、何より購買意欲を高めることにつながります。
ただこの場合、残念なのは、お客様に選ばれている理由が、
「安いから」
というだけ、という事実です。
安さだけにフォーカスするお客様は、他に安いお店があれば、
すぐにそちらに浮気してしまいます。
さらに、お店にとって一番痛手なのは、
「『安い店』というイメージがつく」
ということではないかと思います。
■「安いピアノ教室」はブランドには程遠い
これはピアノ教室においても同じことだと思います。
我々が一番避けたいのが、
「月謝が安いピアノ教室」
というイメージが付いてしまうことでしょう。
私はこのメールマガジンを通して、
「これからのピアノ教室経営はブランド化が大切」
ということを何度もお伝えしています。
およそ「安いピアノ教室」という言葉からは、
ポジティブなイメージは生まれないでしょう。
つまり、月謝が安いピアノ教室は、「価値が高い」
「ブランド」というイメージからは離れる、ということです。
何より教室経営者である我々にとって、こうした「安い」
というイメージは、決して嬉しいことではありません。
何より辛いのは、周囲にこうしたイメージが
ついてしまうと、払拭するのに非常に苦労する点です。
■ラーメン屋さんで考えてみましょう
極端な例で考えてみます。
近所にラーメン屋さんが出来たとします。
通常、一杯900円の特製ラーメンが、
オープン価格として、何と200円!
これは安い!とオープン時は並ぶ人が出来るほど。
店長さんは、
「これは大成功!これで私の店の知名度がグンと上がる!」
とホクホク顔。
しかし、このオープン価格が終了すると同時に、
客足がぱったり途絶えた・・・。
こうしたことは実際によくあります。これはなぜでしょうか?
お客さんの心理として、200円で食べられたラーメンを、
今度は900円払って食べよう、とは思いにくいからです。
そして問題は、200円のラーメンを出してしまった時点で、
お客さんの心の中に、
「安いお店」
「200円ラーメンのお店」
というイメージがついてしまうことです。
つまり、値下げの弊害として、
「下げた値段を基準とした価格が刷りこまれてしまう」
ということが問題なのです。
このお店が、通常の価格に戻したとしても、
「200円」という強いイメージは残ったままです。
値下げをしてしまったことで、
「本来の価値を感じなくなってしまう」
ということなのです。
こうなるともう900円では売れませんし、値下げとともに、
「お店の価値まで下げてしまっている」
ということが言えるのです。
■月謝の値下げは、教室の価値を下げる?
ピアノ教室においても、これは同じことが言えるでしょう。
月謝を安くすれば、生徒は集まるかもしれませんが、
その分、経営が苦しくなるのは自明の理です。
またそれよりも、
「月謝の値下げは、教室の価値を下げてしまう」
ということが問題と言えます。
月謝を下げてしまうことは、簡単に言うと、
教室を「安売り」することと同じです。
近隣のピアノ教室が安いから、という理由で、
月謝の価格を下げたとしたら・・・。
当然、その値下げした価格のイメージが残ります。
そして「安いピアノ教室」、というイメージが
付いてしまう可能性も高まります。
苦しいことに、今後は値下げした月謝の価格でしか、
生徒募集ができなくなってしまいます。
さらに、以後月謝の値上げをしようとしても、
それはとても難しいでしょう。
なぜなら、価格を下げたのは自分であり、集まった多くの人は、
安さを求めてきている人かもしれないからです。
そこで大切になってくるのが、
「どうすれば価格を下げずに、教室の価値を上げられるか?」
「月謝が高くても、生徒が集まる教室にするには?」
という思考です。
……続きは次回以降のブログで!
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