私は「ピアノ教室の法則術」という本も書いているので、

世の中の「法則」といわれるものに関しては、

とても興味を持っています。

「パレートの法則」をご存じでしょうか。

「パレートの法則」は、

全体の多くの部分は、一部の要素が生み出している、

といった法則で「80:20の法則」とも言われます。

たとえば、全体の2割の顧客が8割の売上を作っている、

という感じでしょうか。

ピアノ教室でも、これは当てはまると思っていて、

たとえば、紹介とか口コミです。

全体の2割の保護者の方が、

8割の紹介を生み出している、

といわれれば、納得される先生も、

きっと多いのではないでしょうか。

■新規生徒の獲得に躍起になるより…

ピアノ教室の生徒募集というと、

とにかく新しい生徒を増やすこと、

どれだけ広くアプローチして、

多くの人に教室を知ってもらうか。

そういった広告や宣伝活動のイメージが強いです。

チラシを作ったりするのもそうですね。

ただ、新規生徒を集めるのに躍起になって、

既存の生徒さんをおろそかにしてしまうのは、

本末転倒といえるでしょう。

私はむしろ、本当に大切にすべきは、

今いらっしゃる生徒さん、

そして保護者の方だと思っています。

そういう方々は、いわば「教室のファン」です。

私(自分)のレッスンに共感し、考え方に共感し、

教室を気に入って通ってくださっている。

このコロナ禍でもやめずに通ってくれる。

「こういう状況でもピアノ教室があって助かりました」

と喜んでくださる。

そういう価値観の近い「ファン」の存在があって、

私たちの教室、レッスンは成り立っているわけです。

■いつも、目の前の人

情報のなかで、信憑性が高いのは、

価値観の近い人からの情報です。

家族や知り合い、友人など、

自分の考えに近い人の紹介だと、

やっぱり興味がわきますよね。

ピアノ教室の生徒募集において、

紹介や口コミが重要なのが、ここです。

教室(先生)と価値観の近い人は、

価値観の近い人を連れてくる可能性が高い。

教室のファンが、ファン予備軍を呼んでくる、

そういうことも往々にしてあるわけです。

私たちの考えを理解してくださる方ですから、

レッスンも教室運営も、とてもやりやすい。

「いつも目の前にいる人を大切にしていく」

結局のところ、安定した教室運営のポイントは、

そこに集約されていくわけです。

■コンセプトを語ること

これからの日本は、人口がどんどん減っていきます。

少子化は進み、シニア層の財布の紐は固くなります。

お金をかけるところ、自分や子どもが集う場所、

あらゆるセレクトに、より時間をかけるでしょう。

できるだけ情報を集めて、納得して、決める。

そういう時代だからこそ、

私たちピアノ指導者は、コンセプトを語りたい。

どんなピアノ教室にも、コンセプトがあります。

指導の理念とするものがあります。

どんな生徒に、どういうレッスンを提供し、

将来、どんな人間に育ってほしいのか。

そのコンセプトを語ることによって、

共感する人が集まり、教室が成り立っていきます。

■レッスンとは、未来の幸せを提供する

私は、思います。

生徒募集もレッスンも、大切なのは、

「ピアノを笑顔で弾いている10年後に連れていくこと」

このピアノ教室に通うことで、

どういう未来が待っているのかを伝え、

責任を持って、その未来に連れていくこと。

私たちの、その不断の努力と成果によって、

価値観の近い人が集まり、

教室のファンが生み出されていく。

私たちピアノ指導者は、知っています。

ピアノが弾けることで、

どれだけの幸せを受け取ってきたかを。

つまり、私たちの仕事とは、

「未来の幸せを提供すること」。

この思いをいつも胸に、音楽にピアノに、

そして、すべての人と向き合っていきたいものですね。

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今日もお忙しいなか、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

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