おはようございます。
株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。
今日ご紹介するのは、
という楽譜です。
ピアノの作品というと、主に欧米の作曲家に
フォーカスされることが多いですが、
日本人の作曲家も、素晴らしい
ピアノ作品の数々を残しています。
今回は、日本の作曲家による
ピアノ小品集のご紹介です。
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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「解説」から引用すると、
「音楽の大海に漕ぎ出したばかりの
先達たちは、日本人としての
アイデンティティについて既に考え、
悩みながら書き綴っていた。これらの
小品には、単なる技法の寄せ集めではない、
きわめて真摯な心の歌のようなものが
あるように思う。そして同時に、
だからこその尊い示唆もあるのではないか」
とあります。
校訂・運指・解説は、
国立音楽大学、同大学院特任教授であり、
ピアニストの花岡千春先生。
以前、同シリーズの2冊をご紹介しましたね。
本書は、入手が難しい日本人作曲家による、
「ピアノ小品集」を集めた楽譜。
帯にある【本書の特長】から引用すると、
■楽譜
自筆譜、筆写譜、初版、各社版など、
多くの資料を参照して校訂し、できるだけ
原典のかたちで楽譜を作成
各版との違いや注意点は楽譜の下に記載
その場で疑問を解決できます
■詳細な解説
7人の作曲家の生い立ち、取り巻く環境、
曲ができた背景、演奏へのアドバイスなどが
満載な解説は、曲をより深く味わうヒントに
■ペダルと運指
作曲家自身がペダルを記入している曲については、
校訂者によるペダルも併記
実用的な運指で、曲がより弾きやすくなります
とあります。
収められている作品を「目次」からご紹介してみましょう。
【目次】
解説(花岡千春)
メヌエット:瀧廉太郎
憾:瀧廉太郎
丘の春:清瀬保二
「三枚繪」:橋本國彦
雨の道
踊り子の稽古帰り
夜曲
前奏曲二調:松平頼則
「ピアノのための前奏曲」:高田三郎
II.風に踊る陽の光
III.山鳩
「ピアノ組曲」:伊福部昭
盆踊
七夕
演伶
佞武多
組曲「こんなときに」:三善晃
I.水あそびは面白いよ(お風呂は嫌というときに)
II.魔法つかいがお菓子をくれる(寝るのは嫌というときに)
III.じゃあ、お庭で遊びましょう(そのお話は、もう知っているというときに)
IV.ライオンは、とても遠い国にいる(猛獣狩りにつれてってというときに)
V.ママのために(おヒスの時間です)
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◆(2)なかなか触れることのない日本人作曲家によるピアノ作品
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ピアノ作品には、短い小品から30分を超える
大作まで、幅広い作品があります。
小品というと、気軽な感じがしますが、
短い中にも凝縮された世界観があり、
単純に大曲と比較できない部分もあります。
また、海外の作曲家のピアノ作品に
触れる機会は多いものの、
なかなか日本人の作品には触れられない、
という面もあるのも事実。
そこで本書。
なかなか触れることのできない、
日本人作曲家による「ピアノ小品集」。
自筆譜、初版譜など、集められるものは
すべて参照して作成したという校訂版が本書。
各曲のページ下にある注釈やヒントは、
演奏の際の重要なヒントとなるでしょう。
本書の作品の演奏のレベルは
「初級2ー上級2」とありますので、
それなりの演奏技術は必要でしょう。
巻頭の花岡千春先生の解説は、
作品やその背景を知る重要な情報が満載。
その「解説」にもありましたが、
島崎藤村が25歳のときに東京音楽学校の
選科に入学していた、というのは知りませんでした。
日本の作曲家、そして作品について、
これだけの情報を得られるのは、
充実した解説ならではでしょう。
本書の帯にある、
「美しく真摯な先達の小品を弾く」
の言葉の通り、日本が誇る作曲家の作品に
触れられる貴重な機会となる一冊。
ご興味があれば、お手に取ってみてください。
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『 日本の小品集 New Edition 』 花岡千春・校訂、運指、解説
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◆(3)編集後記
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先日のワールド・ベースボール・クラシック。
テレビにかじりついて応援された
ピアノの先生も多いでしょうね。
私も手に汗にぎる試合展開に、
ハラハラしながらも優勝に歓喜しました。
こうした日本の選手の活躍は、
子どもたちの未来の道を開きますね。
本当におめでとうございます!
それでは最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
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