★藤 拓弘が毎週土曜日配信の無料メルマガ「成功するピアノ教室」vol.734より
「がんばる木こり」という話をご存じでしょうか。
仕事をする人間なら、
いろいろ考えさせられるお話。
それは、こんな感じです。
■ある木こりのお話…
昔、一人の木こりが材木屋に仕事を探しに行きました。
給料もよかったので、そこで働くことにしました。
初日、親方から一本の斧を渡され、
森の一角を割り当てられました。
やる気満々の男は、1日で18本の木を切り倒しました。
親方に褒められた男は、次の日も誰よりも
早く起きて仕事に向かいました。
ところが、その日は15本が精一杯。
疲れているのだろうと考えて、
日暮れとともに寝床に入りました。
夜明けがくると、今日は18本の記録を超えるぞ!
と心に決めて床を出ました。
ところが18本どころか、その日は7本、
そのまた次の日は5本…
最後には、夕方になっても、
2本目の木と格闘していました。
親方に怒られるのでは…と、
びくびくしながらも、正直に報告しました。
すると親方は、聞きました。
「最後に斧を研いだのはいつだ?」
「斧を研ぐ?研いでいる時間はありませんでした。
木を切るのに精一杯でしたから」
■大切なことは…
このお話を読んで、
どうお感じになられたでしょうか。
目の前のことに夢中になって、
大事なことを見失ってしまっている…
そんなことは、意外と多いですよね。
でも、仕事で大切なことは、
基本的なところに眠っていたりするわけです。
芸術家が、いつも感性を磨くために、
あらゆるジャンルにアンテナを張り、
新しいことにチャレンジしているのも、
その一つでしょう。
■今までと同じでは…
このお話は、ピアノ指導にも
通じるものがあると思います。
どんなに切れる斧でも、
手入れをしないと衰えるように、
ピアノレッスンも、
磨いていかないと衰えていく。
「これでいいんだ」と、20年30年前と
同じレッスンをしていては、
なかなかうまくいかない。
世の中は、常に変化していて、
子どもの環境も考え方も、
保護者の価値観も求めているものも、
日々変わっています。
子どもは変化に柔軟で、
しかも新しいことが好きです。
新しい刺激をいつも求めています。
そういう子どもたちを惹きつけるには、
指導者である私たちこそ、
いつも新しい刺激に触れている必要がある。
■満たす、磨く
何十年も続く老舗が、今も残るのは、
変わらない部分を残しながらも、
変わることを恐れないから。
私たちも、先人たちのピアノ教育の
素晴らしさを大切にしながらも、
ひとつ、またひとつと、
新しいもので、自分という器を満たしていく。
不思議なもので、求めていると、見つかります。
自分を満たそうとすると、
必要なものは向こうからやってくるんですね。
子どもたちの笑顔をみたい、
もっと音楽を感じてほしい、
ピアノで喜びを感じてほしい、
生きていることの素晴らしさを感じてほしい。
そういう思いがあれば、
私たちはどこまでも進化できます。
「斧を研ぐ=自分を磨く」
明日も、一年後も、そしてその先も、
子どもたちと歩んでいくために、
私という世界でたった一つの器を満たしながら、
私という世界でたった一つの器を磨いていきたい。
いつも、そんなふうに思います。
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最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
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