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あなたにも憧れの人がいるかもしれません。
ピアノ指導者、セミナー講師として成功している人、
華々しい経歴を持つ人、人間的魅力に溢れた人…
私も若い頃は「あんな人になれたら…」
そんな憧れの人がいました。
もちろん、そういう存在があることで、
その人を目標にして自分を鼓舞したり、
少しでも近づけるように、
努力するモチベーションになります。
また、憧れは心を豊かにする働きもあります。
ただ、気を付けたいのは、
憧れの人を目指すばかりに、
苦しくなってしまうこともあること。
人は、自分に「ない」ものを持っている人に憧れます。
憧れの存在を目指すことは、裏を返せば、
自分に「ない」ものを手にしようと、もがくこと。
すると、自分に「ない」もの、いわゆる
「弱み」にばかりフォーカスしてしまい、
ちょっとしたつまずきがあると、
だんだんイヤになってくるわけです。
■その人にはなれない
私も経験があります。
学生時代、すごく明るくて素敵な人がいたんですね。
誰にでも人当たりがよく、人気があって、
すぐに打ち解けられ、受け入れられて、
リアクションも楽しく、笑いも取れて、
どんどん会話を回して、楽しい時間を作って、
いつも場の中心にいて、盛り上げて注目される…
すごく憧れるわけです。
なぜなら、私は真逆な性格で、
リアクションも下手で、ボソボソしていて、
会話の輪に入ることすらできず、
いつも端っこにいる陰のような存在…
いわば、弱みばかりです。
光が当たっている人が、
まぶしくて仕方なかった。
憧れるわけです。あんな人になれたらいいなと。
そこで、がんばって真似してみるわけです。
でも、まったくうまくいきません。
それはそうです。自分が持っていない武器で
戦おうとしていたわけですから。
むしろ、自分に嘘をついているようで、
どんどん心がモヤモヤしてくるわけです。
「弱み」を克服しようとするほど、
本来の自分からかけ離れていくようで…
どんどん苦しくなっていくわけです。
■誰かが必要としている
だいぶ経って、ようやく分かりました。
すべての人には、役割があって、
誰かを演じるのではなく、
素直な自分、そのままの私でいいのだと。
そして、そんな「私」を、
必要としてくれる人が、必ずいるのだと。
たとえば私は、会話の中心にもなれないし、
笑いを取って盛り上げることもできません。
でも、人のお話を聴くのが大好きです。
誰かのお話を、全身で聴くことが好きです。
それが、今私がライフワークとしている、
「聴き手」としての仕事や役割につながっている。
素敵な人のお話を、誰かに届ける役割を、
担うことができている。
誰かの役に立てている。
死ぬほどイヤだった自分の「弱み」が、
本当は大切な存在だったと気づいたのです。
■マイナスのかけ算
私は思います。
弱みは、本当はあなたの強みだと。
弱みは、克服すべきものではなく、
そのままで、大切な存在。
もしあなたが、私のように、
「自分は弱みばっかり…」
と思っているならば、ラッキーです。
仮に、弱みがマイナスだとしても、
かけ合わせることで、プラスになる。
マイナス×マイナスは「プラス」だからです。
誰かの役に立てることが、
それだけたくさんある、ということです。
あなたを求めている人が、
たくさんいるということです。
「自分以外の誰かになる」よりも、
ただただ「あなた」でいいんですね。
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最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
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