私たちピアノ指導者が、レッスンや教室を運営する上で、
いつもそれとなく意識しておくべきこと。
それは「満足度」でしょう。
もちろん、生徒や保護者が感じる満足度の部分です。
それは、たとえばレッスンで得られる充実感であり、
「できた!」という達成感かもしれません。
いずれにせよ、ピアノを習っていることで、
ポジティブな感情が生まれたとき、
そこに多少なりとも「満足感」が生まれます。
■ある楽器店の営業の方がすることとは…?
私がこれまで2000人を超えるピアノの先生と出会い、
情報交換をさせていただくなかで気づいたこと。
多くの生徒さんが辞めずに続けている教室の先生には
ある「特徴」があることです。
言い方はいろいろとあって悩むところですが、
単純な言葉で表現すると、
「マメであること」
です。
人間関係でも商売でも(時に恋愛でも?)同じですが、
「マメ」であることは大切なポイントだと思っています。
そこに「私を思っていてくれている」と感じたとき、
人は少なからず喜びの感情を抱くからです。
たとえば、ある楽器店の営業の方は「楽譜1冊」でも
教室に届けてくれるそうです。
楽譜を1冊届けるだけ、と言っても、そこには
時間も労力もかかります。準備だってあるでしょう。
目に見えないコストも含めて、
それだけのことをする理由はなにか?
「レッスンで忙しい先生のお役に立ちたい」
「届けたときの喜ぶ顔を見たい」
そうした、モノやお金でははかれない、
「人の気持ち」にフォーカスした行動と言えます。
ネットで1クリックで、下手すると即日届いてしまう、
便利な今の世の中。
そんな中でも、この営業の方は、
愚直に先生の教室を回り続ける。
その姿に「何か」を感じる先生は少なくないでしょう。
■「理由」がないからこそ価値がある
こうしたことはピアノの先生でも当てはまります。
生徒を思うと、時間も労力も、コストも
かかるけれどやらずにはいられない。
たとえば、風邪で休んだ生徒には、2~3日後に、
「体の具合はどう?」とさりげなく電話する。
誕生日には、当日ピッタリ届くように、
バースデーカードを贈る。
バレエの発表会や絵画教室の作品展示会があれば、
行って「おめでとう」と気持ちを手渡す。
はっきり言えば、こうしたことはしてもしなくても、
特にレッスンや教室運営に支障はありません。
むしろ電話代はかかるでしょうし、今電話大丈夫かな?
とタイミングを見計らう必要だってあります。
けれどもそれをする理由は何か?
いえ、言葉を間違えました。
そこに「理由」はありません。
ただ「したいからする」。
これが本当のところなはずです。
生徒のことを考えると、自然と心と体が動く、
そんなイメージなのだと思います。
■人は思う、だから「思い」に感じる
人は誰でも、自分を大切にしてくれる人には、
感謝の気持ちになりますし、嬉しいものです。
先ほどの例でいえば、先生からもらったものは、
一本の電話でありカードだけかもしれません。
ただ、その一枚のカードを見つめながら、
「先生はわたしのことを見てくれている」
そう感じて嬉しくなる。
そういう子は少なくないでしょう。
人は「人」を思います。
自分を思う人には、そこにある「思い」を感じて
さらに「その人」を思います。
レッスンでも教室運営でも、そうした部分を知り、
大切にする先生からは、生徒はなかなか離れません。
大切なことは、見えないところに宿る、
というのは、本当のことですね。
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