すべての先生がセミナーを開くつもりで生きると…「奈良井巳城先生が語る！作品を深く読み込み基礎力をつけるピアノ指導の秘訣」【ピアノ講師ラボ】2023年11月号

来月2023年11月号の「ピアノ講師ラボ」にご登場は、

ピアニストの奈良井巳城（ならいみき）先生。

たくさんの素晴らしい生徒さんを育てられ、

全国での講座にて指導法を伝授、

月刊「ムジカノーヴァ」での

「ハノンクリニック」「チェルニークリニック」

の連載でご存じの先生も多いでしょうね。

今日からのレッスンのヒントが満載の対談、

奈良井先生の楽しいトーク術も聴きどころです。

「ピアノ講師ラボ」の会員様は、

ぜひ楽しみにしていただけたらと思うのですが、

今回のブログでは、その奈良井先生のお話から、

心に残ったことを皆さまにシェアしてみます。

■奈良井先生に聞いてみた

対談収録も終盤に差しかかり、

奈良井先生に、お聞きしてみました。

「これから目指していらっしゃることは？」

奈良井先生は、出版を目指していることを

お話になりましたが、

その前に語ってくださったことが、

とても私の心に残りました。

それはこんなお話でした。

■セミナーをするということ

「これは、ちょっときつい言葉に

なるかもしれないんですが…」

と前置きされつつ、奈良井先生は、

こんなことをお話されました。

・・・　・・・　・・・　・・・

「私、セミナーするじゃないですか。

セミナーするために、

どれだけの準備をするか知ってます？

何十時間をかけて、その時代について、

作曲家について、音について研究して、

譜面と向き合って、ああでもない、

こうでもないと、いろいろ考えます。

ある一つの単語を調べていくと、

その単語にもう一個、この単語は何だろう？

っていう単語が出てきて、

それを調べていくと文章の中に、

また知らない単語が出てきて、

さらにその単語を調べていくと、

また知らない文章が出てきて……

とんでもない話ですよ。

一つの単語調べたら、ものすごい知識になってくる。

セミナーに来ている先生っていうのは、

そうやって講師が何十時間と膨大な時間と、

膨大な情報量をまとめ上げたものを、

聴きに来ている先生です。

でも、ひとり一人の先生が、

セミナーを開くようなつもりで

生きていらっしゃれば、

すごくいい音楽界になっていくんじゃないか。

そんなふうに思います」

■どこまでも高められる

私も講座などに登壇するので、

奈良井先生のお言葉が良く分かります。

何年、何十年もかけて培ってきたものを、

2時間の講座にまとめる作業は、

本当に大変な作業なんですね。

すべての話に裏付けが必要で、

どんな質問が来ても大丈夫なように、

周辺知識を固める必要があり、

何より、自分が納得するまで、

まとめ上げなければいけない。

でも、膨大な情報をまとめ、

自分のメソッドを体系化する過程で、

さらなる気づきや発見があり、

のめり込み、自信となっていく。

突き詰めることで、

自分自身もパワーアップされるわけです。

ピアノ指導法は、

どこまでも高めていけると思っています。

すべては、生徒のため。

そして、ピアノを教える人間としての

自信と誇りのために。

奈良井巳城先生の熱いお話を聴いて、

ピアノ指導者としての在り方を、

あらためて感じました。

■奈良井巳城先生との対談内容

ちなみに、2023年11月号の奈良井巳城先生の対談内容をご紹介すると…

【CD1】
●ピアノ指導者の奈良井巳城先生のご紹介
●奈良井先生がピアノ指導で最も大切にしていること
●ブルクミュラーの楽譜から何をどう深く読み取るのか？
●その作曲家が生きているならばレッスンに行け！
●ハイドンのある曲の速度表記から読譜のあり方を学ぶ
●ブルクミュラーのおススメの版はこれだ！
●ロシアピアニズムとは「音へのこだわり」である
●ハンマーの使い方と倍音の秘密の関係

【CD2】
●ハノンで学べるテクニックの「4つ」の重要な項目とは？
●ハノンの「スケール」を指導するときの秘訣はこれだ！
●正しい姿勢とは？人間の動きには2タイプがある！
●生徒に自宅で効果的な練習をさせる方法は？
●子供の頃のスパルタ教育から思う今どきのレッスン
●本番で最高の演奏をするための方法は？
●これからのピアノ指導者が求められるもの
●奈良井先生のこれからのビジョンは？
●奈良井巳城先生にとっての「プロフェッショナル」とは？

…こんな感じで、どのお話も、
今日からのレッスンで活かせるものばかり。

毎日のレッスンを充実させるお話を、
たくさんお伝えいただきました。

なお、YouTubeチャンネルでも、

奈良井巳城先生のお話をアップしています。