ピアノを弾く人にとって、持っておきたいのが「和声の知識」。
ただ、難しいイメージから敬遠しがちな方も少なくないでしょう。
そこで今回は、以前メルマガで取り上げた「和声」に関する書籍をご紹介してみましょう。
★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.315(2014年7月23日配信)より
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『 キャラ和声 』 水上浩介・著
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音大に行けば必ず勉強するのが「和声学」。
音楽をする者としては、音楽の基本として
持っておくべきなのが「和声の知識」です。
ただ、パッと見ただけでは分かりにくい和音記号や
進行の禁則など、難しい印象があることは否めません。
今回は、その和声学を「キャラ」にたとえて
分かりやすく解説した、これまでにない本です。
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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭にある「はじめに」から引用すると、
「難解なイメージのある和声に、もっと親しみを持って欲しい
という想いから、本書は、和音記号の擬人化という新しい試み
に挑戦しました」
とあります。
面白いのは「和音記号が中学生」となり、
「ハーモニー中学2年メジャー組」
が織りなすストーリーとして解説してある点。
それぞれの和声が個性豊かな「キャラ」で描かれ、
結果的に和声の個性や機能を理解することにつながる。
たとえば、
「I」…「みんなのリーダー イッペイ」
「V」…「わんぱく野生児 ゴロ」
「IV」…「平和を愛する ヨシヒト」
といった感じで、時折マンガを挿入しながら、
それぞれの性格を解説しながら和声を学んでいきます。
ちなみに各章の構成は以下の通りです。
【Chapter1】音度の章
【Chapter2】機能の章
【Chapter3】和声の章
【Chapter4】和音の章
【Chapter5】和音記号の章
【Chapter6】進行の章
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◆(2)和音記号を中学生のキャラに置き換える斬新な発想
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音大での和声学で出てきたローマ数字や和音記号に、
えもいわれぬ抵抗感を感じた方もいるかもしれません。
一方で、楽曲にスラスラと和音記号を書いていく
隣の学生に、一種の憧れを感じた方もいるでしょう。
難解な和声学を、キャラクターの擬人化で
親しみやすく解説している本書。
たしかに、和音記号を丸暗記しても、その背景にある
和声の性格や機能、進行を理解するまでには至りにくいです。
この点本書は、キャラクターと絡めて学べるので、
イメージとして残りやすいことは言えるでしょう。
また、パッと見ただけでは分かりにく和音記号も、
表記の仕方や意味を分かりやすく解説しています。
個人的には、「固有和音」と「準固有和音」の違いや、
「借用和音」の説明は分かりやすかったですね。
和音記号のほかにも、コードについての解説もあるので、
比較して何が違うのかも理解できます。
正直、この一冊で和声学や和音記号をすべて
マスターするのは難しいかもしれません。
ただ、エッセンスを学んだり、和声学への興味が湧き、
深く学んでみようとする気概は生まれるかもしれません。
いずれにしても、難しいと感じてしまう和音記号を
キャラに擬人化するという斬新なアイデア。
これまでにない新しい発想と言えるでしょう。
和声学や和音記号が苦手、でもやっぱり学んでみたい、
という方は、手に取ってみてはいかがでしょうか。
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『 キャラ和声 』 水上浩介・著
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