音楽が心のよりどころになりピアノが人々をつなげるというのは本当だった【新年に届いた3通の年賀状】

喪中のため、新年のご挨拶を控えさせていただいたのですが、
恐縮ながらご連絡が行き届かず、たくさんの年賀状を頂きました。

どの年賀状も感謝の気持ちで受け取りました。
本当にありがとうございます。

そのなかで、ひときわ嬉しかった、
3通の年賀状がありました。

・・・・・・

そのなかの2通は、以前、外部講師として勤務していた、
音楽教室の生徒さんから。

会わなくなって2年も経とうとしているのに、
こうして年賀状を送ってくれたこと。

知らない間に、
ずいぶんと字がうまくなっていること。

まだピアノを続けてくれていること。
音楽の道を歩み続けていること。

出会った頃はまだこんなに小さくて、初めてのレッスンでは
お互い探り探りだった、あのレッスン室を思い出しました。

一つひとつが大切な思い出です。

・・・・・・

そしてもう一通は、東北から。

もう3年と4か月も前になりますが、
震災でピアノを無くした女の子に電子ピアノを送りました。

懇意にさせていただいている、中嶋恵美子先生が
現在も続けていらっしゃる、楽器支援活動。

このご活動に胸を打たれて、自宅にあった電子ピアノを
お送りしたのが2011年の9月だったと記憶しています。

配送のため、妻と一緒に分解して丁寧に梱包して
送り出したときのことを、今も覚えています。

電子ピアノを送ったその子から届いた、
桜色の綺麗な年賀状。

「これからもいただいたピアノで練習を頑張ります」

そのひたむきな気持ちに、言葉にならない喜びを感じ、
こころから感動しました。

ここにあった電子ピアノを使ってくれている。
あの出来事があった後もピアノを続けている。

・・・・・・

私も、これまでの人生で何度もピアノに助けられ、
音楽に助けられてきました。

ときには、音楽に見放されたと感じた、
苦しい出来事もありました。

試験で失敗したとき、受験で失敗したとき。
何度弾いても思うような演奏ができなかったとき。

自分の努力を音楽は認めてくれなかった、
恨むような気持ちになったこともありました。

けれども、今の自分があるのは、
その経験があったからこそのもの。

何か大切なもの、忘れてはいけないものを
教えてくれるためだったのだと、今は思います。

・・・・・・

音楽は心のよりどころになる、というのは本当です。
ピアノは生きる力を与えてくれる、というのは本当です。

そして、ピアノや音楽が人生を豊かにし、
人々を深くつなげる、というのも本当です。

そうでなければ、これだけ多くの人に、
音楽やピアノが愛されている理由がわかりません。

新年に届いた、3通の年賀状。

繰り返し表裏をながめながら、音楽の素晴らしさと
人をつなげる「力」をあらためて感じました。

そして、こころから「ありがとう」の気持ちに浸りました。

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