こうした書籍を読むときに大切なのは、
「自分ならどう答えるか?」
を考えながら読み進めることでしょう。
本日配信の教本メルマガからのご紹介です。
★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.341(2015年2月4日配信)より
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『 絶対!進化する ピアノレッスン 100のコツ 』 黒河好子・著
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今日ご紹介するのは、
という書籍です。
著者は黒河好子先生。これまでもこのメルマガにて
いろいろとご著書をご紹介してきました。
今回ご紹介は、ピアノ演奏やレッスンに関する
「100の疑問」に答える書籍です。
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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「はじめに」から引用すると、
「芸術とは答えのないものですが、答えはなくとも守る
べきことが多くあります(中略)皆さんの抱える問題は
それぞれ違うとは思いますが、この本ではとくに疑問の
多かった問題を100にまとめました。指導の上でヒントに
なることがありましたら嬉しく思います」
とあります。
ピアノを弾く上で、指導する上での疑問を100挙げて、
それに対する著者の考えが掲載されています。
各疑問に対する答えを1ページに簡潔に、
読みやすくまとめられています。
各章は次のように構成されています。
【第1章】ピアノを弾くからだの疑問
【第2章】演奏時の疑問
【第3章】テクニックの疑問
【第4章】練習時の疑問
【第5章】ペダルの疑問
【第6章】レッスン時の疑問
【第7章】コンクールやコンサートでの疑問
それほど多くはないものの、要所にはイラストを
交えて解説しています。
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◆(2)レッスンをあらためて見つめ直すきっかけとなる一冊
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私もピアノを指導するひとりの人間として、
当たり前のように分かってはいるけれど、
「それは果たしてなぜなのか?」
という本質的な部分が見えていないことが
多々あることに気づきます。
たとえば「指先(第1関節)をしっかりさせる」と
いいのは理解していますが、その本当の理由は何か?
そうした点を、この書籍では簡潔に教えてくれます。
ちなみに「100のコツ」をすべて読んでみて、
なるほどと思ったことを挙げてみます。
●ピアノで大事なのは、指をひらいて音を出すことではなく、
手のひらの筋力を使い良い響きの音を出すこと
●指を上げて弾くのは、筋力をつけるためのトレーニング
●ピアノを弾くときには、頭は未来(予測)、耳は過去(音の
響きを聴く)という作業のバランスが求められる
●片手ずつ練習する場合は、弾いていない方の手も
動かすと重心が偏りません
●女の子には筋力を、男の子には関節の使い方を
中心に教えていくと良い
●「その子が歌ったようにしかピアノは弾けない」
●子どもは大人よりも脈拍が速く(中略)、
動きがあり短い曲を好みます
●生徒のためにも先生自身がしっかり学ぶことが、
良い先生になっていく道
1つの疑問に対する答えが1ページ掲載、ということもあり、
正直、深い部分への解説までは至っていない感は否めません。
この点は、既刊の関連教材・教具の研究や、
セミナー等で補う必要があるのではと感じます。
また、この書籍にあるような疑問点について、
もし「自分が」誰かに質問された場合、
「自分ならどのように答えるか?」
そうした自分なりの見解や意見を、頭の中で
整理しながら読み進めることは有益でしょう。
それだけでも、自分のなかに、
「ピアノ指導者としての100の見解」
ができあがり、自分なりのレッスンでの
「ぶれない軸」の要素は集まってくるはずです。
書籍の価値は、読み手の「意識」と「読み方」に
よって大きく変わってくる。
この点本書は、レッスンを少しでも良くしたいと願う
ピアノの先生にとって価値ある一冊と言えるでしょう。
ご興味のある先生は、手に取ってみてはいかがでしょうか。
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『 絶対!進化する ピアノレッスン 100のコツ 』 黒河好子・著
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