私はこれまで2000人を超えるピアノの先生との
出会いをいただいてきました。
どの先生も素晴らしい方ばかりですが、
特に感銘を受けた出会いが数多くあります。
そして、そこから学んだことは数知れません。
自分への戒めと、少なからずの憧れを込めて、
このシリーズでは「気づき」を記していきます。
・・・
便利→使い方に注意
一流のピアノ指導者が大切にすること。
それは「大事なことほど口で伝える」。
何でもメールや携帯のメッセージで
済ませてしまえる時代。
確かに便利だけれども、
「それでは済ませられないこと」
「済ませてはいけないこと」
があると理解しているからでしょう。
●大事なこと→「口」で伝える
たとえば自分の都合で、どうしても
レッスンを休まなければならない時。
一流のピアノ指導者はメールひとつで
済まされないことを知っています。
会って伝えるか、最低でも電話で
きちんとお詫びの言葉を伝える。
なぜならレッスンが動くことは、本人だけでなく、
多くの人の時間と労力を奪ってしまう。
たった一回のレッスンの背後にも、
たくさんの人が動いていると知っているからです。
子どものレッスンの送り迎えのために、
仕事を早く切り上げようと努力するお母さん。
その背後には、職場の方の理解があるでしょう。
同僚のサポートがあってのものかもしれません。
他の習い事の予定をなんとかずらしてもらって、
その日のレッスンを入れたのかもしれません。
下の子を保育園に預ける時間を
延長させているのかもしれません。
そのために、ほんのわずかなスキマ時間に、
電話で何とか予約を勝ち取ったかもしれない…
●休む→自己管理の甘さ
自分が決めたレッスンスケジュール。
当の本人が守れないことほど、
深く自戒すべきことはない。
一流のピアノ指導者には、
そういう意識が強くあるのでしょう。
体調が悪くなったのは自己管理の甘さ。
都合が悪くなったのはスケジュール管理の甘さ。
たとえば300人が集まるセミナーに登壇するなら、
這ってでも会場に向かうでしょう。
それが、3人のレッスンだからといって、
安易に休んでいい理由はない。
300人も3人もない。
すべての人が、私にとってかけがえのない人である。
そういう思いが心にあるのでしょう。
●イレギュラーな出来事ですら…
もちろん突然の事故や、イレギュラーな
出来事も起こることがあります。
でも言ってしまえばそれは、
生徒には関係がないこと。
自分の都合である以上、レッスンを
休むことのお詫びはきちんと伝える。
「電話で申し訳ありません…」
本来なら会って伝えるべきところを…
という気持ちがそこにあります。
●相手の気持ちをイメージできるかどうか
こんな先生がいます。
親戚に不幸があり、どうしても急遽、
明日のレッスンを休まなければならない。
ほぼ全員の生徒には電話で連絡が取れたが、
あと一人だけどうしても連絡が取れない。
どうやら電話番号をかえたらしい。
メールも届かない。手元にあるのは住所だけ。
このままでは明日、何も知らずにレッスンに来てしまう。
しかも遠いところから、何回も電車を乗り継いで…
時間もかかる、電車賃もかかる。
教室に来ても誰もいない。
何より教室に来たときの不安と戸惑いは
想像するだけでいたたまれなくなる…
そこで思いついたのが電報。
電報ならば住所が分かれば届けられる!
やっとの思いで申込みができたのが、
電報の受付終了時間の5分前。
夜中に送った電報は無事に次の日の朝に届き、
レッスンのお休みの連絡が取れた。
それが、生まれて初めて送った電報だったそうです。
●相手の気持ちをイメージできるか
大切にしているのは、
「相手がどういう気持ちになるか?」
をイメージできるかどうかでしょう。
もし自分だったらどう思うだろうか?
メール一本で済まされたらどんな気持ちになるか?
相手の気持ちを大切にできる自分でありたい、
気持ちをイメージできる自分でありたい。
おそらくそういう思いだけでしょう。
●言いにくい→だからこそ言う
言いにくいことほど、きちんと口で言う。
メールで何でも済んでしまう世の中だからこそ、
大切なことはきちんと口で伝える。
それが何かを教える立場の人間として、
最も大切にすべきことの一つである。
このことの重要性を知っているからこそ、
一流のピアノ指導者なのかもしれません。
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