私はこれまで2000人を超えるピアノの先生との
出会いをいただいてきました。
どの先生も素晴らしい方ばかりですが、
特に感銘を受けた出会いが数多くあります。
そして、そこから学んだことは数知れません。
自分への戒めと、少なからずの憧れを込めて、
このシリーズでは「気づき」を記していきます。
・・・
■とにかく本を読む
一流のピアノ指導者が大切にすること。
それは「本を読むこと」です。
とにかく多読家が多いのが特徴。
それは、本から得られる情報に
「価値」を見出しているからです。
■学ぶ→情報を選ぶ
これだけ情報に溢れている現代。
信憑性も含めて、受け取る側は、
情報を精査する必要があります。
特にインターネットの情報に関しては、
取捨選択の目を持つことが肝要。
ネットの活用はもちろん有用ですが、
やはり重視しているのが「書籍」。
著者が培ってきたノウハウや情報を、
出版社というフィルターで精査する。
より伝わる文章にするために、
編集者というプロが磨きをかける。
ある程度の情報の有用性と信憑性を
保つのが、出版のシステムなわけです。
■本を読む→希少性
最近は本が売れなくなっている。
そんな話もよく聞きます。
そんなとき一流のピアノ指導者は、
より読書欲が高まります。
それはなぜか。
本が売れない、ということは、
本を読む人が減ったとも言えます。
つまり、本を読むことがすでに
「希少性の高い行為」
である可能性が高いということ。
本を読む人が業界の1%なら、
自分がその「1%」になれるのです。
■いい本→紹介
だからといって、その本を
ひた隠しにしたりはしません。
惜しげもなく友達に紹介します。
どんどんお勧めします。
要点をまとめ、使える情報にして
ネットで発信までしてしまいます。
なぜそこまで惜しげもなく
人に教えてしまうのでしょうか?
その理由は「2つ」あります。
たとえいい本を紹介しても、
実際に読む人は2~3%。
行動できる人はほんのわずか、
と知っているからです。
そして惜しげもない情報発信は、
実は「自分のため」だからです。
本は読むだけでなく実践がポイント。
アウトプットという作業は、
学びを深める最高の方法なのです。
情報発信によって人から感謝され、
自分の学びも深められる。
だからどんどん紹介するのです。
■1行→1500円?
ある先生の言葉が印象的でした。
「1行でも心に残った言葉があれば、
本の値段の元は十分取れる」
ビジネス書であれば、大体1500円前後。
音楽の専門書は多少値は上がります。
ただ、心に残ったフレーズが、
ひとつでもあったのなら、
実行してみたい内容が、
ひとつでも見つかったのなら。
その本の価値は値段の数倍です。
もし生徒の演奏が変わったのなら、
価値は数十倍に及ぶでしょう。
■良書→数打っても当たらない?
ただ残念ながら、良書をつかむには、
数多くの本にあたるしかありません。
釣りと同じで、試行錯誤して、
やっと手元に来るのが良書です。
もしかして100冊読んでも、
1冊も当たらないかもしれません。
けれども、101冊目から120冊目まで
「すべて当たり」の可能性もある。
それを知っているからこそ、
とにかくピンときた本は買う。
一度棚に戻したら二度と
見つけられないのが書店の謎。
だからこそどんどんカゴに入れる。
真っ直ぐレジに向かいます。
■読む時間がないのではなく…
「よくそんなに本を読む時間がありますね」
タイトなスケジュールで動く先生。
もちろん時間はありません。
ただ一つだけ言えるのは、
時間があるから読むのではなく、
必要だから時間を作るのです。
食事や睡眠と同じように、
「ピアノ指導に読書はどうしても必要」
と心の底から思っているので、
何とか時間を作っているのです。
ライバルは昨日の自分。
何もしなければ落ちるだけ。
常に少しでも成長していたい。
学びの必要性と危機感があるからこそ、
一流のピアノ指導者なのかもしれません。
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