私はこれまで2000人を超えるピアノの先生との
出会いをいただいてきました。
どの先生も素晴らしい方ばかりですが、
特に感銘を受けた出会いが数多くあります。
そして、そこから学んだことは数知れません。
自分への戒めと、少なからずの憧れを込めて、
このシリーズでは「気づき」を記していきます。
・・・
■やり方よりも先に変えるもの
一流のピアノ指導者が大切にすること。
それは「あり方」の部分です。
何でも結果をすぐに求めたがる時代。
人はすぐに結果が出そうな
「やり方」を求める。
結果が出なければ次のやり方。
それでもダメなら次、次……
まるで迷宮を彷徨う主人公のようです。
一流のピアノ指導者は知っています。
それは順番が逆だということを。
「やり方」よりも先に、
「あり方」を変える。
■どうやるか→どうあるか
たとえばレッスンを良くしたい、
生徒を着実に上達させたい。
そこでまず考えるのは、
「どうレッスンするか?」
の「Do(やり方)」でしょう。
著名な先生のセミナーを受け、
レッスンの仕方の秘訣を学ぶ。
これはもちろん大切なことです。
でも、実はそこで本当に学ぶべきは、
講師のレッスン法というより、
「指導者としてどうあるべきか?」
の「Be(あり方)」の部分です。
講師は覚悟を持って人前に立ち、
セミナーに臨んでいます。
そこにあるのは「生き様」であり
指導者としての「あり方」。
私たちはそこを理解してはじめて、
レッスンで使うグッズの「意味」が分かる。
生徒にかける言葉の「意味」が分かる。
「やり方の根底にあるもの」
まで見通すことができたときに、
はじめて学んだことになるのです。
■あり方を変える出来事
一流のピアノ指導者にも、
大きな挫折がありました。
ほとんど乗り越えようのない
大きな壁に阻まれる。
ここで肩を落として引き返すか、
それとも顔を上げて向き合うか。
ここの分かれ道となるのが、
「これはあり方を変える『試練』という贈り物だ」
と恐れず前を向いて進んだこと。
これは自分が変わらなければ
ならないからこそ起こった。
自分を根底から変えるためには、
「あり方」から見直す必要がある。
彼らにとって挫折や試練は、
「自分のあり方という目的地」
を見定めた瞬間でもあったのです。
■行先のないタクシー
「あり方」という目的地がないのは、
行先のないタクシーに乗るようなもの。
あっち行ってこっち行って…結局、
「乗ったところまで戻ってください」
どこにも行けずに終わります。
時間とお金ばかりかかります。
結局「あり方」なのです。
「こういうピアノ指導者でありたい」
といった目的地があって、
はじめて行き方(やり方)が分かる。
そこに進むまでの道のりで、
成功も失敗も含めて、
「これでいいんだ。間違いない」
という「覚悟」までいけたら、
やり方は自ずと見えてくる。
■あなたにとって「プロ」とは?
「ピアノ講師ラボ」の対談の締めに、
著名な先生にこう質問します。
「あなたにとってのプロフェッショナルとは?」
プロとは「覚悟を持った人」です。
この仕事で生きていく。
この仕事を極めていく。
私はこの仕事の全ての責任を負う。
そうした「覚悟」に満ちているから、
言葉にぶれがない。
行動に迷いがないのです。
「覚悟」という大前提なしに、
やり方を学んでもうまくいかない。
そこに「迷い」があるからです。
迷路で誰かの後をついていくことほど
心もとないことはありません。
覚悟があれば行き止まりでも
自信を持って引き返せる。
「あり方」を求める続けるからこそ
プロとしての「覚悟」が生まれるのです。
■その後どうありたいか?
「誰かの役に立てる人間でありたい」
「喜びを与えられる人間でありたい」
そういうあり方がはっきりしていれば、
他のすべては「通過地点」になります。
通過地点であればアッサリ越えられます。
方法(やり方)だけに目を奪われて、
自分(あり方)を見失ってしまう。
すべて反対だったのです。
こうありたいという自分があれば、
自然とやり方はついてくる。
そして努力を努力とも思わず、
笑顔で乗り越えていけるのです。
「あり方」をどこまでも追求するからこそ、
一流のピアノ指導者なのかもしれません。
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