ハノンを効果的に練習するための教材のご紹介です。
★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.386(2015年12月16日配信)より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつもこのブログをお読みいただき、
本当にありがとうございます。
株式会社リーラムジカの藤 拓弘です。
今日ご紹介するのは、
という教材です。
ハノンといえば、皆様にとってはとても
親しみのある教材ではないでしょうか。
生徒に課題として与えている先生も
少なくないことでしょう。
今回は、その「ハノン」を効果的に
練習するための教材のご紹介です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆今日のチェックポイント◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
巻頭の「序文」から引用すると、
「現代のピアニスト・音大生等が毎日の練習に用いられる教本
として『コンパクト・ハノン』を企画しました(中略)『コン
パクト・ハノン』は中上級者のための技術の維持向上ができる
ように編纂してあります(中略)難易度も練習効果も高いもの
を厳選してありますので、丁寧に集中して練習すれば元の教本
を弾きあげるのに匹敵するほどの効果が得られます」
とあります。
この「コンパクト・ハノン」は、縮約した原曲に、
オリジナルを若干加えた40曲で構成されています。
「この本の構成」から要約すると、
●第1部…各指の独立の訓練。
テクニックの基本となるのでこの箇所だけは必ず練習する
●第2部…音階・アルペジオ・トリル・同音連打・3度・6度の練習
必要に応じて原典の教本を参照する
●第3部…オクターブ・トレモロ・跳躍の練習
オクターブは力が入りやすいので6度で十分練習する
といったように「3部構成」になっています。
第1部の「1番から13番」までの練習は、
5指の独立のための基本練習。
時間がないときは第1部だけの練習でもいい、
と書かれています。
また、巻頭には手の骨の構造の解説や、
「変奏による練習」についての解説があります。
さらに各練習の冒頭には、練習のアドバイスや
注意点なども添えられています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆(2)毎日の練習に活用できるコンパクトなハノン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本書の副題は、
「中・上級者のための40のデイリー・エクササイズ」
ある程度ピアノの知識やテクニックがあり、
エクササイズ的に使う人向け、ということでしょう。
「コンパクト」とタイトルにあるように、全体を
30分程度で弾き通せる、としています。
この点、毎日の練習の最初に取り入れることで、
良いトレーニングになりそうです。
どのくらいコンパクトなのかは、実際の楽譜を
ご覧いただきたいのですが、
本書に掲載されている解説の部分が、
とても勉強になったので引用してみましょう。
●「鍵盤にできるだけ指を近づけて
打鍵後も鍵盤の底に指を押し付けないこと」
●「綺麗な音色で、左右がきちんとそろうことを心がける」
●「左手の音に意識して弾くことも効果的」
●「手首や腕の助けを借りずに、
親指が独立して動かせる練習をする」
●「オクターブの早い動きは、主に手首を震わせるように
動かして(ヴィブラート)演奏される」
後半では、オクターブの跳躍や、3度や和音を伴う
トレモロ、6度など難易度の高い練習が出てきます。
解説にもあるように、こうしたテクニックの練習で
大切なのは、タッチと音色と脱力でしょう。
いかに鍵盤とのコンタクトを意識するか、
自分の出した音に耳を傾けるか。
この点は、練習の効果を倍加させるための
大きなポイントではないかと思います。
毎日の練習に効果的にハノンを取り入れたい先生や、
上級の生徒に与える教材として好適でしょう。
ご興味のある先生は、一度お手に取って
みてはいかがでしょうか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆(3)編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回の「コンパクト・ハノン」。2007年の出版ですが、
いまだに売れ続けている教材とのこと。
著者の杉谷昭子先生は、ベートーヴェンのピアノソナタ全集や
ブラームスのピアノ独奏曲全集を完成させるなど、
世界的にご活躍のピアニストです。
クラウディオ・アラウの最後の弟子として、
ご存じの方も多いことでしょう。
その杉谷先生を、弊社の「ピアノ講師ラボ」の
来月1月号にてお迎えすることができました。
聴く人を魅了し続ける杉谷先生の「タッチ」。
今回の対談音声CDでは、そのタッチや「合理奏法」について、
たっぷり語っていただきました。
「ピアノ教育で最も大切なのは『感動』である」
「初心者は『弱い音』から始めるべき理由とは?」
「ピアノを始めたばかりの子だからこそいい音を意識させる」
など、目からウロコのお話ばかりです。
ちなみに、12月31日までにご入会の先生は、
こちらの杉谷先生の対談からスタートできます。
会員様はぜひ楽しみにしていてくださいね。
それから、ただ今開催中の、
「スペシャルダイジェストCD無料プレゼント」
最終日まであと「10日」となってきました。
今後は有料でのご提供も検討していますので、
お早目にお申込みくださいね。
さて、来週は今年最後の「教本メルマガ」。
年末恒例の「教本ランキング」のご紹介です。
今年2015年にご紹介した教本・教材のなかで、
どれが一番反響が大きかったのか。
ぜひ楽しみにしていてくださいね。
それでは今回も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★全国3683名のピアノの先生が購読する無料メルマガ
「成功するピアノ教室」ご登録はこちら
↑毎週土曜日の朝に配信中。配信解除もいつでもすぐにできます
★9名の著名な先生との対談の選りすぐりの音声を凝縮!
「スペシャルダイジェスト版CD」無料プレゼントキャンペーン
★新刊が発売になりました!
★「現場の先生直伝 生徒が夢中になる!ピアノレッスン アイデアBOOK」
★今年は売り切れ御免!の「初回限定生産」お早目に…
レッスン手帳2016「マンスリー&ウィークリー」
レッスン手帳2016「スリム マンスリー」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━