私はこれまで2000人を超えるピアノの先生との
出会いをいただいてきました。
どの先生も素晴らしい方ばかりですが、
特に感銘を受けた出会いが数多くあります。
そして、そこから学んだことは数知れません。
自分への戒めと、少なからずの憧れを込めて、
このシリーズでは「気づき」を記していきます。
・・・
■これが最後のレッスンだとしても…
一流のピアノ指導者が大切にすること。
「今日が最後でも悔いなしと言えるレッスンをする」
一つひとつのレッスンを大切にしよう。
ピアノの先生であれば、誰もが
そう思っていることでしょう。
ただ一流のピアノ指導者はそこで終わりません。
「今日が最後のレッスンでも悔いはない」
ここまで強い思いを抱きながら、
毎日のレッスンに向かっています。
おそらく、相当の準備と覚悟でもって、
生徒に向き合っているに違いありません。
■先日読んだ本のなかで…
先日読んだ「自分を変える89の方法(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」に、
こんなエクササイズが紹介されていました。
【自分がもうすぐ死ぬとしたら?】
①「自分がもうすぐ死ぬ」という場面を想像する。
そのときの自分の感情を具体的に思い描く。
②あなたの大切な人が、1人ずつ
あなたを訪ねてくる場面を想像する。
彼らに、死ぬ前に伝えたいことを考える。
③それを声に出してはっきり言う。
そして、このエクササイズで一番大切な教えとして、
「実際に死ぬ直前まで待たなくても、
もうすぐ死ぬつもりで行動できる」
といったことを挙げています。
■ピアノのレッスンでも共通すること…
これをピアノのレッスンに置き換えてみると、
どうでしょう?
①「今日のレッスンが人生で最後」という場面を想像する。
そのときの自分の感情を具体的に思い描く。
②これまで教えたすべての生徒が、
1人ずつあなたを訪ねてくる場面を想像する。
レッスンを終える前に、彼らに伝えたいことを考える。
③それを声に出してはっきり言う。
同じくこのエクササイズで得られる教訓として、
「実際にレッスンを辞める直前まで待たなくても、
今日が最後のつもりで生徒に向き合い、レッスンできる」
ということ。
ここから得られるものは、きっと少なくないはずです。
■私は今日、最後のつもりでレッスンできているか?
一流のピアノ指導者は、きっとこうした
エクササイズをするまでもなく、
当たり前のように、高いマインドで、
毎日のレッスンに向き合っている。
だからこそ悔いなく、
あったとしても限りなく最小限に、
これまでの自分のすべてをかけて、
一人ひとりの生徒と向き合っている。
だからこそ、一音に、一言に情熱をもって
「レッスンという一瞬」にかけることができる。
それが、生徒に自分に、そしてすべてに
妥協しないマインドを生み出しているのでしょう。
一流のピアノ指導者が一流たるゆえんは、
そこにあるのかもしれません。
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