以前、ある経営者の方と会食する機会がありました。
その方は長年会社を経営していらっしゃり、
とても成功していらっしゃる方。
立ち振る舞いにも余裕が感じられます。
その頃、私は会社を立ち上げたばかりで、
いろいろお聞きしたいことがありました。
あまりにいろいろ聞いてみたいことがあり、
思わず、こんなダメな質問をしてしまいました。
「売上を伸ばすためにはどうすればいいですか?」
■なぜこの質問が「ダメ」なのか?
一見すると普通の質問。今となってはお恥ずかしい
限りですが、これは典型的なダメな質問です。
では、どこが「ダメな質問」なのでしょうか?
結論からいうと、抽象的な質問には
抽象的な回答しか返ってこない、ということです。
質問された側の立場で考えてみましょう。
まず自分が取り扱っている商品とはまったく違います。
顧客も違えば、もちろん売り方も違う。
広告の仕方も違いますし、媒体も違います。
いくら実績がある人でも、まったく違う
業界の人からいきなり、
「売上を伸ばす方法を教えてください!」
と言われても、ベースとなる知識が
ないわけですから、答えようがありません。
質問が漠然としすぎていて、何を答えて
いいかわからない状態なわけです。
「まぁ、たくさんの人にアプローチすることですかね…」
案の定、こんなありきたりで当たり障りのない
答えが返ってきて終わってしまいました…
■ではどんな「質問」をすればいいのか?
もし私が、次のような質問をしていれば、
きっと多くのヒントが得られたことでしょう。
「私は○○というサービスをご提供しています。
商品はこういうもので価格は○○円です。
顧客対象は○歳代の女性で、こんなライフスタイル。
学びへの意識もネットのリテラシーも高めです。
○○といった悩みを抱えていて、何とか解決を
したいと日々考えていらっしゃいます。
弊社としては、○○を中心に広告を展開、
コンテンツマーケティングも充実したい。
また、顧客満足度を上げるためにも、
○○の実施を検討しています。
…こんな感じですが、ぜひ売上を上げるためのヒントを
いただけたら!と思うのですがいかがでしょう?」
このくらい具体的に情報を与えたうえで
質問すれば、きっと相手の経営者の方も、
「なるほどなるほど。業種は違いますが、
私は○○で成功した実例があります。
それは○○という方法です。さらに御社であれば、
○○という広告媒体も良さそうですね。
また、顧客満足度という面でいえば、
○○みたいなことも効果があると思いますよ」
こんな風に「具体的な」回答をしてくれるでしょう。
■質問の中身を変えるだけで回答も変わる
質問の中身で回答が変わってくる。
これは、ピアノ教室の生徒募集に
おいても同じことがいえるでしょう。
たとえば、生徒募集で実績のある先生に
お会いする機会があったとして…
あまりよくない質問の代表は、
「生徒を増やしたいんですがどうすればいいですか!?」
といったざっくりした質問でしょう。
このように漠然とした質問をされても、
実践的なお話を即答するのは難しいでしょう。
忙しい方で、お話できる時間もわずかであれば、
核心をついた回答はおそらく期待できません。
そこでたとえばですが、こんな感じで
質問をまとめておいて聞いてみるとどうでしょう。
「私の教室のある地域では最近マンションが
増えてきていて、地域性としては○○な感じです。
私が欲しい生徒の年齢層は○歳から○歳くらいで、
保護者の方は○○なタイプが望ましいです。
私は○○のレッスンを得意としていて、
生徒さんに○○をご提供できると思っています。
イベントとしては○○をしていて、また
定期的には○○を発行しています。
そんな私なのですが、どうも生徒が集まりません。
何か生徒を増やすためのヒントを頂けませんか?」
いかがでしょう。
おそらく前者の質問よりは、きっと具体的で
実践的な回答が得られるでしょう。
具体的な質問には具体的な回答がある。
質問を変えるだけで回答も変わるのです。
なにより「この人はきちんと考えているな…」
と相手に真剣さを感じさせることでしょう。
このことはあらゆる場面で応用が可能ですよね。
○レッスンを良くするヒントが欲しいとき
○保護者との関係をよくするヒントが欲しいとき
○怒らずに子育するヒントが欲しいとき
○時間をうまく使うためのヒントが欲しいとき
…etc.
その道の専門家や詳しい人にアドバイスを
求めるとき、質問の仕方に意識してみてください。
具体的に聞いてみれば、具体的に返ってくる。
質問一つで得られるものは大きく変わってきますね。
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