ピアノのレッスンで必要なのは「伝える力」。
おそらくこれは間違いないでしょう。
それぞれ年齢も性格も、興味関心も違う生徒に、
大切なことをきちんと伝える。理解してもらう。
「わかった→弾けた→嬉しい」
そんな小さな成功体験を積み重ねることで、
少しずつピアノを弾くための力が付いてきます。
■同じくらい大切な「引き出す力」
伝えることと同じくらい大切だと思うのが、
「引き出す力」
その子、その生徒が持っているもの、いいところ、
伸びる可能性が高いもの、喜びや達成感…
そんな部分を引き出してあげることは、
ピアノのレッスンで大切なことだと感じます。
「ほめること」はそのひとつでしょう。
ほめられれば嬉しくなってこれもあれも、
という連鎖を生みだします。
■さらに大切なのが「聴く力」
レッスンでは「雑談」を大切にしている
先生も多いでしょう。
その子が何が好きなのか、得意なのか、
喜びのスイッチはどこにあるのか…
そんな部分を、雑談を通して探る。
探った部分をレッスンに上手につなげ、
「ピアノが上手になると楽しい」
に結び付けて次につなげる。
そのためにも、先生の聴く(質問する)力は
とても重要になってくると思います。
■さらに大切なのが「共感力」
お話が好きな子との雑談は楽です。
向こうが勝手にしゃべり続けてくれるわけですから(笑)
ただ、お話があまり好きではない子、
内向的な子も、もちろんいるわけです。
小さい頃の私がまさにそうでした。
先生のところに習いに行っても、挨拶以外は
ほとんど言葉を発しなかった記憶があります(笑)
先生にとっては非常にやりにくい子だったと思います(笑)
だからこそ分かるのですが、そういう子は、
話さないけれども、いろんなことは考えています。
いろんな思いがグルグルしていて
言葉にならない、それが本音だと思います。
ただ、話さないけれども、
「自分のことはわかってほしい」
とは思っているものです。
だからこそ、なんとか振り絞って
頑張って口にした「一言」を先生が、
「そうなんだ~、うんうん、あれいいよね。わかるわかる」
みたいに共感してくれると、
やっぱりとても嬉しいわけです。
(もちろん顔には出しませんが笑)
■心を「ほどいていく」こと
英語で「unwind」は、巻かれていたものをほどく、
という意味のようですが、(windがくるくる巻く)
内気な子どもの心を「ほどいていく」。
気持ちをリラックスさせて、ほどいていく。
それは何年もかかるかもしれません。
でも、あるとき紐がスルッとほどけるように、
心を開いてくれるときがくる。
(実際、私はある日突然しゃべるようになりました笑)
何気ない一言に共感すること。心に近づこうとすること。
時間はかかっても、さりげなく寄り添っていくこと。
毎回「今日も来てくれてありがとう」と伝えること。
そんなことは、直接レッスンには関係ないけれども、
実はレッスンでとても大切なことなのでは、
と思ったりします。
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