ぶらぶーらの地図

大人気の作曲家、春畑セロリ先生が、新刊を出されました

「ピアノ曲集 ぶらぶ~らの地図(全音楽譜出版社)」という曲集です。

曲集にある「ぶらぶーら」というタイトルについて、巻頭の「INVITATION」から引用すると、

「『ぶらぶーら』とは、イタリア語では、勇壮、華麗、見事。日本語では、のんびり、自由、ちゃらんぽらん。対照的な意味をもつ『ぶらぶーら』ですが、思いつきでスタート、展開は予想外、結末はエキサイティングな私の旅はいつも、ぶらぶーらでBravuraなのかもしれません」

全26曲が収められており、以下のように「旅」を感じさせる構成になっています。

第1章 旅のはじまり
第2章 もうすぐ発車ベル
第3章 スニーカーとスケッチブック
第4章 まだ見ぬ夢、あすの想い出

最後の第4章にイタリアにちなんだ曲が並んでいるのは、この曲集を作曲されたきっかけが、ピアニストの関孝弘さんのリサイタルのために作曲されたことにあるようです。

ちなみに、関孝弘さんの演奏によるこの曲集のCDも、日本コロムビアから同時に発売されています。

★「ピアノ曲集 ぶらぶ~らの地図』ピアノ・関孝弘・作曲・春畑セロリ」

春畑先生による「旅」をテーマにした、今回のオリジナルピアノ作品集。

物語をイメージさせるタイトルや作品の並べ方、書き下ろしのポエムなど、想像力をかき立てます。

曲のレベルは様々ですが、比較的掲載されている順に、難易度が上がっていくように感じます。第4章の5曲は、それなりのテクニックも必要でしょう。

ちなみに全音さんの特設サイトが設けられていて、全曲を視聴することができます。

私も全曲を弾いてみて感じたのが、そこに「歌」があり、それに付随した「情景」があること。

旅する「人」がいて、出会った風景や出来事への「感情」がそこにあること。

何を見て何を感じるかは、弾く人の心の中にゆだねられる。

けれども、作品から弾く人に感じさせる「何か」は確実にそこにある。

心に残るメロディーや、心躍るようなリズム、そして、感情の移り変わりを表すかのようなハーモニーの変化。

旅で感じるワクワク感やちょっと切ない感情は、「人生」という旅に共通するものかもしれません。

憶測ですが、春畑先生はそんなこともこの曲集に込めたかったのでは、と感じました。

様々な情景や感情に出会える春畑先生の曲集。ご興味があれば、楽譜を手に取ってみてください。


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