おはようございます。
株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。
今日ご紹介するのは、
という書籍です。
「和声」というと、もしかして苦手意識のある方も
少なくないかもしれません。
今回は鍵盤上の「体験」を通して、
和声感を身につける書籍のご紹介です。
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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「序文」から引用すると、
「本書は、和声を説明する本ではなく、体験する本です。
その響き、その動きを体に染み込ませ、体で覚えます。
(中略)音楽も基礎の段階では徹底的に体で覚えることが
大切です。『和声の練習帖』という題名にはそのような
意味が込められています」
とあります。また、副題にもある、
「手の形で和声感を身につける」については、
「手の形が『音の響き』や『動き』と
連動するような練習方法を提案しています」
とあります。
著者は「楽譜の向こう側」がベストセラーとなった、
皆さまご存じの作曲家の西尾洋先生。
ご紹介したように本書は、
「和声を体験」するための書籍。
西尾先生ならではの、わかりやすい習得法が
全5章にわたって提示されています。
収められている内容をご紹介しましょう。
序文
【第1章】カデンツ・ユニットで覚える鍵盤和声
【第2章】数字付低音
【第3章】単旋律
【第4章】二声対位法
【第5章】対位法と和声法の融合
【補遺1】各作曲家の音楽を和声で考える
【補遺2】和声学習について考える
参考図書
あとがき
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◆(2)和声を「体験」して身につける本
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私も音大受験の際に、和声を勉強した一人です。
ただ当時、それはあくまで「受験のため」であり、
それ以下でも以上でもありませんでした。
ただ、音楽の勉強を進めるにつれて、説得力ある
演奏のためには「和声感」が必要であること、
さらに、音楽の深い世界に浸るため、そして純粋に
「楽しむ」ために必須であることに気づきました。
本書の内容を、著者の指示通りにじっくりと取り組み、
また著者が「序文」で言う、
「和声を全身の全毛穴、全細胞で味わう」
ことができれば、きっとかけがえのない
「宝物」を手に入れられるでしょう。
サラッと書いてあるので読み飛ばしがちですが、
要所要所に、重要な示唆が散りばめられています。
たとえば、
「指順、あるいは手の形で和声を覚えることは、
和声を体に染み込ませ、手で和声を考える第一歩」
「漫然と指を動かすのではなく、鍵盤の場所を手の形や
指の感触で覚えながら、また音の響きを心の耳で予想
しながらできるだけゆっくりと弾くことが大切」
「鳴っていない内声を心の耳で予想し、
響きをあらかじめ作っておきます。その音を
鍵盤の上で再現すればよいのです」
といった感じですね。
「各作曲家の音楽を和声で考える」
という項目は、実際の作品を取り上げながら
解説してあるので腑に落ちます。
本書からは、和声の学習にとどまらず、
音楽や演奏の本質にまで手を伸ばそう、
そんな意気込みすら感じます。
たとえば、これから音大を目指す人が
本書を手にできるのは非常にラッキーでしょう。
生徒に和声を基礎から勉強させたい先生、
あるいはご自身も学び直したいピアノの先生が、
本書の内容をじっくり取り組めば、確実に
多くのものを受け取ることができるでしょう。
ご興味のある先生は、ぜひお手に取ってみてください。
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『 和声の練習帖 手の形で和声感を身につける 』 西尾洋・著
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◆(3)編集後記
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弊社サイトで公開している、Web連載小説
「人生で大切なことはすべてピアノ教室で学んだ」
の【第21話】を公開しました。
主人公の貴広が、音大時代の友人である結城の教室を訪れ、
教室運営についてレクチャーを受ける…
よろしければお読みいただけたら嬉しいです。
それでは最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
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