私もピアノのレッスンをしています。
そのなかで、子どもの「やる気」を引き出すことは、
とても大切なことだといつも思います。
これまでたくさんの生徒を見てきて思うのは、
「自分で目標を持てる子ほど上達が早い」
ということです。
「この曲はこんなふうに弾きたい」
「この曲が終わったらあの曲を弾きたい」
そんなふうに、今いる地点から
少し先を見れる子は、やる気も持続する。上達も早い。
当たり前といえば当たり前ですね。
ただ、すべてがそんな生徒ならいいのですが、
なかなかそういうわけにもいきません。
自分で目標を持ちにくい子、先が見えにくい子も
少なからずいるからです。
ただ、そういう子には、
「指導者が上手に目標を与えれば同じ効果が見込める」
と考えてみてはどうか。
その子なりの目標を持たせる、先を見せてあげる、
これも指導者の役割ではないかと思ったりするわけです。
■ちいさな「できた!」を増やす
自信というものは、成功体験を積み重ねることから
少しずつ生まれてくるものだと思います。
そのなかで、もちろん失敗もあります。
できない自分に向き合う時間もあります。
けれども「失敗」の数よりも「できた!」の数が
上回れば、それが自信につながる。
ということは「できた!」をできるだけ増やすことが
ポイントになってくることは言えます。
「できた!」を増やすためには、
目標の設定が重要になります。
たとえば、1曲通して弾くのがやっとの子に、
「すべて間違えずに暗譜で!」
という目標をいきなり掲げても、きっと、
失敗の数が「できた!」の数を大きく上回る。
これは自信を失わせることにつながります。
あくまでたとえばですが、
「1小節間違えずに暗譜で弾く」
という目標にすれば、達成率は上がります。
これを積み重ねていけば「できた!」
という感情も増えるでしょう。
■その子にとっての「達成ライン」を見極める
大切なのは、
「その子にとっての達成ラインを見極めて提示する」
ということでしょう。達成ラインとは、
「その子が自分にオーケーを出せる基準」
つまり「できた!」と感じられるラインです。
「自分はちゃんとできている」という感覚を
味わえたときに、自己肯定感が生まれます。
それが「次もがんばろう」につながるならば、
「できた!」を増やしてあげることが先ですね。
■「できた!のかけ算」
ただ、私も含めてピアノの先生は、
理想を高く持ってしまうことが多いです。
つまり、生徒への期待値が自然に上がってしまう。
「この子ならこのくらいはできるだろう」
と理想で期待値を上げてしまう。
でもその期待値が、その子の「達成ライン」と
釣り合わなかった場合…
その子の「できない」が増え、やる気は下がる、
自己肯定感も下がってしまう可能性はあります。
だからこそ、ときには思い切ってその子の
「達成ライン」を下げてレッスンする。
そんなマインドも必要かもしれません。
そして、達成を大げさに喜んで一緒に讃える。
先生が喜んだり褒めたりすることは、その子の
「できた!」を倍増させる秘訣です。
私はこれを「できた!のかけ算」と呼んでいます。
先生が認めてあげれば「できた!×2」になる。
学校でクラス全員が喜べば「できた!×35」で最強です(笑)
レッスンでハイタッチや、ぎゅっとハグする先生も
いらっしゃるのはその効果を狙ってでしょう。
生徒にガッツポーズをさせるのも効果的、
というお話も聞いたことがあります。
■ピアノ指導者こそ「できたこと」に意識を
子どもへの理想が高く「できなかったこと」に
意識を向けてしまう。レッスンでも
「そうじゃないでしょ」
「できてないでしょ」
「まちがってるでしょ」
と言われたら、子どもは嫌になりますよね。
(大人でもイヤになるでしょう…)
できない原因を追究しても、
彼らの自信にはつながりにくいわけです。
その子のありのままを認めて受け入れて、
その子が「できた!」を実感できる、
達成ラインを、いつも絶妙に調整する。
「できた!」が増えれば達成ラインは少しずつ、
そして、確実に高くなっていきます。
この地道な積み重ねが、自信という芽を育てて、
生徒に上達という道を作ってあげることなのかな、
と心に留め置きながら、レッスンする日々です。
それでは最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
いつも本当にありがとうございます。
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