桜

メルマガ「成功するピアノ教室」vol.140(2011年3月4日配信)より

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【メインコンテンツ】~教室運営に効く3つのスモールワーク~
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新学期が始まる前、新しい季節の到来という時期は、
やはり何かと期待に胸をふくらませます。

「何か新しいことでも始めようかな」

と思わず考えてしまう人も多いのではないでしょうか。

ピアノ教室にとって、この時期が生徒募集で一番大切だ、
というのには、そうした理由があります。

今号では、私が普段大切にしていることをベースに、
教室運営について、改めて考えてみたいと思います。

生徒募集に悩んでいる、今後の教室運営が見えない、
という方には、もしかして何かのヒントになるかもしれません。

また今回は、いつもとちょっと違うテイストとなっています。

テクニックというより、マインド的なテイストになっていますので、
ぜひお時間のあるときに、ゆっくりお読みいただけたらと思います。

また、各項目の最後に「スモールワーク」を3つ設けてみました。

ぜひお気に入りのノートをご用意して、ご自分なりの回答を
書き記してみてください。

そこから何か見えてくるものがあるかもしれません。

【1】初めての生徒が来たときを思い出してみる

ご自身が教室開校されたときのことを
ちょっと思い出してみてください。

生徒募集の仕方も分からないために、試行錯誤して、
いろいろと苦労されたのではないでしょうか。

拙書の「はじめに」にも書きましたが、私も開校当初は、
何をしても生徒が集まらず、苦悩の日々を過ごしました。

これではいけない、といろいろとアイデアを考えては実行。
失敗しても、そこから検証、改善を繰り返します。

そしてある日、やっと一件体験レッスンのお申込みが来ました。

あの時の嬉しさは、忘れられません。

その親子が初めて教室に来る日。

「教室の場所は分かるだろうか?ちゃんと来れるだろうか?」
「どんな子なのか?お母さんはいい人だろうか?」

などドキドキして教室の前で待っていた日のことを、
今日のことのように思い出します。

その日の体験レッスンは自分でもボロボロだったと思います(笑)

けれども、数ある教室の中からこの教室を選んで来てくれた、
その子やそのお母さんへの感謝の気持ちだけは伝えたい。

自分なりにかなり一生懸命でしたね。

「じゃあ、来週からお願いします」

その甲斐があったのか、入室してくださいました。
その時のことを思い出すと、今でも心がじんわりきます。

私は、そうした大切な感情というものを、
いつまでも大事にしたいと思っています。

教室運営が波に乗ると、そうした開校当初の気持ちは、
残念ながら薄れて、忘れかけていくものです。

けれども、教室運営に悩んだとき、生徒が集まらなくて
悲観的になるときに、そのときの気持ちを思い出すと、
改めて頑張ろう!と思えます。

何かにつまずいた時に、立ち返る場所。

それが、初めて生徒が来た日の「自分」かもしれません。

★スモールワーク★
「初めて生徒が教室に来た日の気持ちを書き出してみましょう」

【2】紹介の有り難さをしみじみ感じてみる

先ほど、初めての生徒が来たときのお話をしました。

幸運なことに、その子(保護者)からの口コミが起こり、
それを機に、たくさんの方をご紹介いただきました。

なんとその方は、保護者の中でも影響力のある方で、
いろいろな場面で教室をご紹介いただいたみたいなんですね。

拙書にも書きましたが、口コミや紹介は何より貴重です。

紹介は、する側にとっても責任が伴うことですし、
紹介してくれること自体が少ないことだからです。

だからこそ、ご紹介に対する感謝の気持ちは、
これ以上ないほどお伝えいたしました。

特に何かを差し上げたり、ということはしません。
とにかく気持ちを伝えたい、という一心でした。

また、ご紹介いただいた方はもちろん、紹介された方にも
お礼はもちろん、感謝の気持ちを伝えました。

そこからまた新たな紹介が生まれ、口コミが広がり、という感じで、
一つのご紹介からたくさんの出逢いが生まれました。

たとえるなら、波ひとつない静かな湖面に一滴のしずくが落ちて、
水面に静かに「輪」が広がっていく。

そんな感じでしょうか。

そこから私が学んだことは、

「紹介してくださった人に対してはもちろん、
 紹介された人には、それ以上の感謝の気持ちを伝える」

「そのことが、結果的に紹介くださった人への感謝であり、
 新たな出会いを生み出すことにつながる」

ということです。

拙書には、口コミのテクニックをいろいろと書きました。

しかし、こんなことを言っては問題かもしれませんが、
テクニックは所詮テクニックでしかありません。

大切なのは、やはり「気持ち」なのだ、ということですね。

そこから生まれるもの、それこそが、
本当に大事にすべきものなのですね。

★スモールワーク★
「ご紹介頂いた方への感謝の気持ちを改めて書き出してみましょう」

【3】目の前の出逢いを何より大切にする

私が何より大切にしているものがあります。

それは「人との出逢い」です。

使い古された言葉ですが、人はひとりでは生きていけません。

これは教室運営でも同じことですよね。

生徒さんがいてはじめて、教室が成り立ちます。

お母様をはじめ保護者のご協力があってはじめて、
スムーズな教室運営が可能になります。

お子さんをお持ちの先生でしたら、お子さんを見ていてくれる
人がいてはじめて、安心してレッスンできます。

ピアノをいつも良い状態に保ってくださる調律師さんがいて、
はじめてピアノ教育、そして正しい音感教育が出来ます。

音漏れがつきもののピアノ教室運営に対して、ご近所さんの
ご理解があってはじめて、安心して教室が続けられます。

こう考えると、ピアノ教室運営を取り囲む、本当に
たくさんの人たちのご理解やご協力があって、
我々の仕事が成り立っているんですよね。

またそうした人々とは、必ず最初の接点である、
「出逢い」を経て今に至っているわけです。

私が知る素晴らしいピアノの先生は、悉くこうした
出逢いを大切にされています。

人との出逢いが、どれだけ貴重なものかということを
経験則として知っているからなんですね。

そこから新たな出逢いがあり、

「その積み重ねが結果的に教室を形作っていくのだ」

ということを理解しているのですね。

★スモールワーク★
「教室運営に関係する全ての人との出逢いを振り返ってみましょう」

■まとめ

今日のメールマガジン、いかがだったでしょうか。

普段とはちょっと変わったテイストでお届けしてみましたが、
私自身も書いていて、いろいろと気付くことが多かったです。

生徒募集はテクニックはもちろん大切です。ですが、

「テクニックを超えたところに大切なものがある」

ということを、音楽を奏でる者、そしてピアノ教育に携わる者として、
忘れないようにしたいものですね。

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