いつもこのブログをお読みいただき、
ありがとうございます。
株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。
今日ご紹介するのは、
という曲集です。
サムイル・フェインベルクという作曲家の
本邦初出版という曲集。
さて、いったいどんな曲集なのでしょうか。
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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の秋場敬浩先生による、
「《子どものためのアルバム》成立とその背景」
から引用すると、
「本アルバムの初版は、作曲者の死後1963年に
ソヴィエト作曲家同盟によって出版された。この
魅力あふれる曲集について、その誕生の仕掛人と
なったソコロフはフェインベルクについての回想録
の中で、『(フェインベルクの)《子どものための
アルバム》は、必要とされる難易度の適切さとともに、
テクニック面、および、気分やイメージの面に
おいても輝かしいばかりの多様性をもって書かれた
作品である』と評している」
とあります。
同じ解説の部分によると、この曲集に含まれる小品は、
大まかに4つの特徴にて分類できる、としています。
1・詩的な光景や心象、音楽的性格を表す標題性を有した小品群
2・各地域のフォークロア的題材を扱った小品群
3・他の作曲家の作品、あるいは、過去の自作品からの
抜粋楽想に基づく小品群
4・アンサンブル形式を通した多声的な音響構造への理解と、
その感覚性の体得が意図された小品群
本書に収められている作品をご紹介してみましょう。
1.ロシアの歌
2.小雨が降る エチュード
3.アリア
4.夢の訪れ
5.朝
6.未知なる小径
7.雲は漂う
8.小さなスケルツォ
9.ギリシャの歌
10.マルチェッロのカンタータより
11.昔のスタイルで
12.マルガリータ
13.メキシコの旋律
14.チュヴァシ民族の旋律(連弾)
15.ラプソディ(連弾)
16.バッハのオルガン前奏曲(連弾)
17.民族の踊り(連弾)
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◆(2)独自性と伝統性をあわせ持った新鮮な音の世界
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私の勉強不足で、今回の曲集ではじめて、
フェインベルクという作曲家を知りました。
巻頭の解説によると、
●20世紀ソヴィエト音楽史における最も際立った音楽家の一人
●ピアニスト、作曲家、教育者、音楽思想家
●傑出したヴィルトゥオーゾ・ピアニストだった
●作曲家としては近年、正統なる評価の光が当たり始めている
●独自のピアノ楽派を築き上げた名教師
●極めて興味深い学術的論文や論考、思索的随想を残している
多彩な活動を繰り広げ、ロシアのピアノ芸術の、
発展における偉大な功労者のひとり、
それがサムイル・フェインベルクという
作曲家であるということです。
今回ご紹介の曲集は、そのフェインベルクが
晩年、子どもたちのために書いた作品。
曲集に付いていた帯の「本書の特長」によると
●20世紀ソヴィエト音楽史におけるコンポーザー=ピアニスト
の系譜を、伝統性とフェインベルクの独自性の両面から学べる
●濃密なピアノ書法、熟達した対位法的技法、
ユニークな和声語法などに触れられる
●名教師であったフェインベルクの遺した、
子どもたちへの貴重なメッセージ
●最後の連弾4曲は、フェインベルクの音楽世界を
さらに重厚に味わい、表現できる
私も実際に17曲をピアノで音にしてみて、
その独特の世界観にまずは驚きました。
譜面の見た目はいっけん簡単なのですが、
一つひとつの音符に込められた意味、
緻密に構成された音楽、難解にも思えるイメージなど、
「子どものための」と付されてはいるものの、
その奥深さと新しい「音の世界」は、
確かに唯一無二なものでは、と感じました。
私の趣味で恐縮ですが、
いいなと思った作品を挙げると、
2.小雨が降る
11.昔のスタイルで
13.メキシコの旋律
といった感じでしょうか。
どの曲も個性にあふれ、演奏者の冒険心を
かきたてるような作品がならぶ本書。
ご興味がおありでしたら、
一度お手に取ってみてはいかがでしょうか。
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『 フェインベルク 子どものためのアルバム 』ヴィクトル・ブーニン・秋場敬浩・解説
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◆(3)編集後記
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私の新刊「夢をかなえたピアノ講師~ゼロからの180日」の、
出版を記念したイベントを全国で企画していますが、
おととい10月1日は、長野の松本での開催でした。
スペシャルゲストに藤原亜津子先生をお迎えして、
まさに濃密な2時間を過ごすことができました。
私の講演に引き続き、藤原先生による
「読めない理由・弾けない理由」という講座。
さらに、藤原先生とのトークタイムや、
ご参加の皆さんとの「夢をかなえるワーク」など、
本当に盛りだくさんな内容となりました。
会場も満席で本当にあたたかい先生ばかりに
お集まり頂き、イベントの雰囲気は最高でしたね。
長野イベントにご参加くださった先生方、
本当にありがとうございました!
次回は、10月5日(金)の新潟イベントです。
ゲストは人気作曲家の春畑セロリ先生。
こちらのイベントも楽しみです。
なお、全国でのイベントの詳細は
こちらにご紹介しております。
全国の先生にお会いできますこと、
今からとても楽しみにしております。
それでは今日も最後までお読みいただき、
本当にありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
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