毎週土曜日に配信しているメルマガ「成功するピアノ教室」。
ここ最近は、昨年全国のピアノの先生を対象に実施させていただいた、
アンケート(有効回答数644)の結果をご紹介しております。
メルマガでは数回にわたって、「ピアノの先生がおススメするピアノ教材」を
お伝えしていますが、このブログでもそのなかの一冊をご紹介してみましょう。
★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.132(2010年10月27日配信)より
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◆(1)今日の教本
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『 星のどうぶつたち 』 田中カレン・著
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今日の教材は、田中カレンさん作曲の
『 星のどうぶつたち 』
です。
この教本メールマガジンでは、これまでにも「動物」に
まつわる曲集をいくつかご紹介しています。
※参考『ビーニー動物園』 キャサリン・ロリン・著
※参考『こどもたちへ どうぶつ編1 1990』日本作曲家協議会・編
今回ご紹介する曲集も、動物をテーマにしたものですが、
特に注目したいのは、その動物が「星座」に登場するもの、
であることですね。
「星のうた」という4曲をはさんで、16の星座を取り上げ、
全体として、4曲ずつのまとまりで構成されています。
巻頭には「この曲集に使われる音楽記号」という解説があり、
演奏にあたっての楽典的な部分となっています。
また各曲の冒頭には、作曲者自身による言葉があり、
各星座と絡めて、曲の性格や演奏上の注意点などが
分かりやすく解説されています。
この解説や「はじめに」も含めて、全て英語の翻訳が
書かれているところは、海外で活躍されている先生
ならではの配慮かと思います。
また、この曲集を仲道郁代さんが録音したCDも発売されていますね。
※「田中カレン/こどものためのピアノ曲集」仲道郁代(演奏)
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◆今日のチェックポイント◆
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星座をテーマにした曲集だけに、星をイメージさせる
モチーフや音型が随所に散りばめられています。
また、星のきらきらしたニュアンスを伝えるために、
美しい高音域の音を多用しています。
この曲集の難易度は「はじめに」にもあるように、
「バイエルからチェルニー30番程度」
としてあります。
曲集の最後あたりは、かなり難しい曲が並びます。
非常に美しい曲ばかりですが、特筆すべきはテクニックも
学ぶことができるという点だと思います。
アルペジオやトリル、半音階進行、ターン、同音連打等、
さまざまなテクニックを必要とする曲が並びます。
曲を弾きこなすためには、必然的にそのテクニックを
習熟する必要があるため勉強になる、ということですね。
また、この曲集を弾きこなすためには、
何より「鋭敏な耳」が必要となります。
ペダルの使用や、美しい和声にマッチした音づくりのためにも、
子供たちは良い耳でもって、各曲と対峙する必要がありますね。
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◆(2)美しい曲が満載の星めぐりの曲集
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とにかく美しい曲ばかりが掲載されている一冊です。
フランス近代音楽を思わせるような、美しく、おしゃれで、
それでいて意外性もある曲が満載です。
曲集を通して大切な役割を果たす、4つの「星のうた」は
シンプルですが印象的で、個人的にはとても好きです。
私は全曲を弾いてみましたが、特に、
「やぎ」
「こぎつね」
「きりん」
「おおぐまこぐま」
「りゅう」
「はちょう」
「ライオン」
あたりが印象的で、好きな曲だと感じました。
非常に美しい曲が多いので、この曲集の中から、
発表会の曲を選ぶというのも良いでしょう。
また、「こどものためのピアノ曲集」とは言え、大人が
弾いても聴いても良い曲もたくさんありますので、
大人の生徒さんに与えるのも良いと思います。
さらに、講師演奏に使うという手もあるでしょうね。
ピアニストであれば、子供向けのピアノコンサート等で、
お話や物語を間に挟んで、全曲を通して弾くという、
「星のどうぶつたちコンサート」も面白そうです。
巻末には「第37刷発行」とあることからも、長くそして、
多くの人に愛されている曲集の一冊と言えるでしょう。
子供たちと一緒に、実際に音の響きを堪能してみてください。
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