散歩をしていると、なじみのあるお店や、

大手のチェーン店などに、貼り紙が。

コロナウイルスの影響でしょうか。

臨時休業や閉店のお知らせなども、
見えてくるようになってきました。

お客さまがいなくても、
毎日、毎月大きなコストがかかる店舗経営は、

本当にたいへんだと思います。

本当にがんばってほしいと思います。

個人のピアノ教室の先生も、

感染拡大防止を徹底していることを
きちんと伝えること、

お互いが協力しあって、乗り越えていこう、

そんな空気が生まれている教室は、

大きな影響は受けずにレッスンを
続けていらっしゃるようです。

■それは踊り場のように…

この状況は、私たちピアノ指導者にも、

大きな変化を与えたとも言えます。

忙しく走り続けてきたところに、

はたと立ち止まるタイミングがきた。

毎日、家庭のこと、子どものこと、レッスンのこと…

息をつく暇もないほど動いていたところに、

はたと立ち止まるタイミングがきた。

全力で登り続けてきた、長い階段に、

ふと現れた「踊り場」のように。

人生には、踊り場が必ずあると思っています。

上に行くためには、憩う時間も必要だからです。

一息入れるのも、大切な時間だからです。

がむしゃらだけでは、周りが見えなくなる。

足がもつれて転んでしまいます。

踊り場には、一番下まで転落しない役割があるわけです。

今まで忙しくてできなかった、

目の前のことをじっくり味わうこと。

静かに、自分の気持ちに浸ってみること。

そういう時間を与えてくれた、ともいえます。

■気持ちを添えてみる

私たちが気づいたのは、

「当たり前のことこそ、感謝すべきことだった」

今日も生徒さんが教室に来てくれる。

そんな当たり前のことこそ、
感謝すべきことだった。

そういうことに、あらためて気づいたわけです。

今は、そんな私たちの気持ちを、

素直に伝えていける、

そんなタイミングでもあると思います。

たとえば、生徒さんのレッスン手帳。

たとえば、帰り際のごあいさつ。

今日レッスンでやったこと、

今週の宿題、お母さんへの一言…

そこに「ありがとう」を添えてみる。

「今日も○○ちゃんのピアノが聴けて嬉しかった、ありがとう」

「雨で遠くて大変なところ、ありがとうございました」

「部活で疲れているのに顔を見せてくれて、ありがとうね」

生徒さんへの何気ないありがとうの言葉。

毎週、毎週、先生の感謝の気持ちが増えていく。

いつの日か、生徒さんやお母さんからの
ありがとうも増えるかもしれません。

毎週、何かをあげることはできないけれど、

一輪の花を渡すように、

ありがとうの気持ちを伝えることはできる。

それが自然にできてしまうのが、私たち、ピアノの先生です。

なぜなら、ピアノを通して心を伝えているから。

いつか彼らが教室を離れるときに、

音楽という「大きな花束」を抱えられるように。

今日も、一輪の花を子どもたちに、渡します。

今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

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