株式会社リーラムジカの藤 拓弘です。

いつも私のブログをお読みいただき、
本当にありがとうございます。

今日は、毎週土曜日に配信しているメルマガから、
反響のあったものをこちらでシェアしてみます。

よろしければお読みいただけましたら幸いです。

・・・ ・・・ ・・・ ・・・

いっぱいになった客席、期待にざわめく会場、

ひんやりとした出待ちの舞台裏、手放せないハンカチ、

中央に翼を広げる艶消しのピアノ、

舞台の中央で浴びる熱い照明、

アイボリーに伸びる黒鍵の影、

乾いた拍手が鳴りやみ、かすかにきしむ椅子、

高さが微妙に違うような…

だいじょうぶ、と言い聞かせて、最初の一音に向かう…

…どうでしょう、イメージしただけで、

緊張で胸がキュッとなるのは、私だけでしょうか。

私はすごく緊張するほうで、

とくに若い頃は、演奏中に呼吸ができずに、

目の前がチラチラしてきたこともありました(笑…えない)

演奏、本番は一回きり。まさに大事な瞬間です。

だからこそ「失敗できない…」「外したらどうしよう…」

そういう思考がぐるぐるし出して、

よくないスパイラルが始まります。

ただ、同じ条件にも関わらず、

素晴らしい結果を出す人がいます。

能力や才能の違いはさておき、

それはなぜなのか?どんな魔法を使っているのか?

それが知りたくて、たくさんの著名な先生に

こんなことを聞いています。

「本番で最大限の力を出す方法、生徒に出させる魔法は?」

多くの場合、こういう答えです。

「そんな魔法があれば、私が知りたいです」

まず、ここで安心します。

どれだけ素晴らしいピアニストも緊張し、

どれだけ偉大な指導者も魔法は使えない、ということ。

ただ、密かに実践している「秘訣」はある。

それを「ピアノ講師ラボ」の対談で聞き出し、

会員様にはお伝えしてきました。

■間違いではない

次回6月号の「ピアノ講師ラボ」の対談にご登場の

奥村真先生のお話は印象的でした。

「緊張は、真剣の表れ。

真剣だからこそ緊張するんですね。

だから生徒には、

『緊張は悪いことじゃない』と伝えています。

あなたのやっていることは間違ってないよ、と」

緊張に対する奥村先生の考え方。

これだけでも、スッとラクになるのではと思います。

緊張することは、悪い、絶対ダメ…

そう思えば思うほど、身体は固くなります。

イメージは現実化するからです。

そうではなく、緊張を肯定的にとらえる。

これだけ真剣に向き合えているんだ、

これできっとうまくいく。

少しでもそう思えたら、ネガティブなイメージは

少しずつ溶けていくのではないでしょうか。

■家と同じでは…

奥村先生のお話はさらに続きます。

これも胸にとめておきたいお話です。

「これは生徒にいつも言っていることなんですけどね。

舞台で、家と同じように弾けたのは×(バツ)ですと。

これには明確な理由があって、

家と会場では、部屋もピアノも違う。

それで、何で同じ演奏になるんだと。

そうじゃない。

そのときに感じるものが、僕たちのすべてなんだよと。

舞台で、新しいファンタジーを感じられたら、

その舞台は成功なんだと思いなさい。

本番でとちろうが何しようが、

『発見』があったら大成功なんだよと。

本番はどうせ途中経過。

無事な演奏で面白い演奏はあるか?

本番で感じたファンタジーは絶対に魂に残る。

そうやって本番を迎えられたら、

キミはどんどんうまくなるだろう」

…いいお話ですよね。

たいていは、家と同じように、

ふだんと同じように弾けるように、

本番へと準備をします。

けれど、それではバツなんだと。

大切なのは「新しい発見」をすること。

つまり、本番の目的は、

いつもと違う自分を発見をすること。

そもそもの本番の目的の純度が違うわけです。

■自分が信じられないなら

それでも、どうしても緊張してしまう。

入試前になると、奥村先生のところに、

毎日会いにくる生徒さんもいらっしゃるそうです。

そんなとき、奥村先生は何を語るのか?

「声のかけようがむずかしいんだけど、

みんな、自分を信じられてないんですね。

だったら、僕を信じてくれ。

今までやってきた過程と、僕を信じてくれ。

あなたは必ず受かるから」

ここまで言える指導者が、どれだけいるでしょう。

どれほどの信頼関係、積み重ね、生徒への愛、

どれだけの覚悟、指導という仕事への情熱…

簡単に言える言葉ではないからこそ、

子どもたちに伝わるものがある。

奥村先生の領域に、少しでも近づけるように、

私も日々、精進し続けます。

・・・ ・・・ ・・・ ・・・

★メルマガ「成功するピアノ教室」vol.710より★

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

いつも本当にありがとうございます。

★奥村先生の対談の「後編」が聴けるチャンスは5/31まで!

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