気づけば8月も、今日で終わり。
今年の夏もあっという間でしたね。
さて先日は、ピアニストの木村徹(きむら とおる)先生との
対談から、特に心に残ったお話をシェアしてみました。
木村徹先生はピアニストとしての
演奏活動はもちろん、
桐朋学園大学、桐朋女子高等学校音楽科の
講師も勤められ、指導者としてたくさんの
素晴らしい音楽家を育てられています。
その木村先生との対談収録を控えていた頃、
ネットの検索で、ある「手紙」を見つけたんですね。
そのサイトには、木村徹先生が、
「ある小学生の生徒さんに宛てた手紙」
とありました。
木村先生にお聞きしたところ、今よりお若い頃、
だいぶ前に書かれたものだとか。
そのお手紙が、とても素敵なので、
木村先生にご了承をいただいた上で、
皆さまにもシェアしてみたいと思います。
■「ピアノを弾く」ということ
そのお手紙に、ピアノを弾くことについて、
こんなことが書かれています。
「音楽は芸術のひとつです。
芸術というのは、人と人との心の出会いです。
言い方を変えれば、自分と同じことを感じながら
生きている人がいるのだということを
確認するということかも知れません」
素敵な言葉ですよね。
何かに感動したときの自分を思い返してみます。
その感動は、私の人生の中の経験を、
何かのきっかけで、追体験したときに、
生まれる大きな心の動き。
街で赤ちゃんを見て、我が子の
小さかった頃を思い出したり、
映画を観て、思わず涙するのも、
この現象ですよね。
■音楽とは感動の共有
音楽も、まさにその瞬間があります。
自分が歩んできた人生の、
喜び、哀しみ、嬉しさ、切なさ、憧れ…
そうした経験を、その音楽の中に感じ、
誰かと共有できた喜びを見つけたとき、
自分は一人じゃない、
自分は生きているんだ、
そういうことを、
あらためて感じるのだと思います。
音楽を聴いて、感動したり、
大きく心が動いたりするのは、
私はこのままでいいんだ、
と思える瞬間とイコールだと思います。
何かに心動かされている自分がいる。
それを再確認できる追体験こそが、
「私は私でいいんだ」
そんな生きる力になっていくのだと思います。
また、この気持ちを味わうために、
もう少し、がんばってみよう。
自分なりに、精いっぱい生きていこう。
そういう気持ちになれるのだと思います。
だから音楽は、弾く人も聴く人も感動し、
心の出会いを作っていくのだと思います。
■毎回、はじめてのように…
最後に、木村先生の手紙から、
もう一つのフレーズを。
「ピアノを弾くということは、
その感動を聴く人と一緒に感じよう
とすることだと思います。
そこでは、作曲者とピアノを弾く人と
聴く人の心が出会うのです。
音楽は生き物であってその場の空気の中で
弾く人と聴く人が感じ合う(感動を共有する)のだから、
あらかじめ型にはめてつくっておいて、
そのまま弾いてくるというわけにはいきません。
一回一回まるで初めてのようにその音楽と出会うのです」
木村徹先生の、このお言葉。
これから私も、小さな小さなこどもたちに、
伝え続けていきたいと思いました。
★上記の画像をタップすると木村先生の対談音声が試聴できます↑
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
いつも本当にありがとうございます。
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