音楽教育とは語るべき自分らしさを育てること「北村智恵先生が再び語る！自分らしい音楽を奏でる生徒を育てるピアノ指導の極意」【ピアノ講師ラボ】2024年1月号

新春2024年1月号の「ピアノ講師ラボ」は、

音楽教育家の北村智恵先生が再びご登場。

7年前の対談も熱かったですが、

先生の情熱はまったくお変わりなく、

今回も、私が一番勉強させていただきました。

たとえば…

「子どもをみくびらない」

「人と違うことに平気であれ」

「ピアノの弾き方の教え屋になってはいけない」

「譜読み指導は、集中と時短」

「ハノンは生徒の『耳』を育てる本」

といったお話や、ブルクミュラーの指導法、

前後のレッスン時間を重ねての連弾レッスン、

コンクールの在り方、電子ピアノ、

障がいのある子へのレッスン…など、

まさに、学びの宝庫の対談になりました。

さて今回のブログでは、その北村先生のお話から、

心に残ったことを皆さまにシェアしてみます。

■心に残ったお話

その北村先生にお聞きしてみたんですね。

「ピアノ教育で最も大切なことは何でしょう？」

北村先生は、

「教え始めた頃から全然変わっていないんですけど…」

とおっしゃいながら、こんなお話をされました。

「音楽とは自分自身を語ること。

音楽教育とは語るべき自分らしさを育てること。

『人と違うことに平気であれ』

ということを学んでほしいと思っています」

■その心とは…？

北村先生のお話は続きます。

「芸術って、どれが正しくて、

どれが違っているかはないはずですよね。

人と違う演奏を聴いて、

こんな表現もあるんだ、と感動したり、

逆に、誰が聴いても共感できるものがあったり…

対極にあるけれども、同時に成り立つもの。

それが音楽だと思ってるんですね。

どんな人でも分かち合えるものが音楽であり、

そうした音楽を通して、

人と違うことに平気である、

人と違っていても不安にならない。

そういう生き方をしてはじめて、

自分の音楽ができていくと思うんですね」

■あなたらしいもの

北村先生は、幼児の習い始めのときから、

「あなたらしい演奏が一番素晴らしいんだよ」

と伝えていらっしゃるそうです。

発表会では、とかく間違えないようにとか、

速く弾けたりとかを気にしますが、そうではない。

「あなたらしい演奏が一番素晴らしい」

そうした教育理念、指導への思いが、

その子らしい表現や個性を生み、

「人はそれぞれ違って当たり前なのだ」

という生徒さんの「生き方」にもつながっている。

■人と違うことに平気であれ

私も思います。

ピアノ教育とは、人としての生き方、

人生で大切なことを教えることであると。

私たちが音楽、そしてピアノから、

人生を通して学んできたことを、

未来を生きる子どもたちに伝える。

人と違うことで不安になるのではなく、

「これが自分だ」と自信を持てる子どもに。

それぞれの個性を、みんなで認められる世界に。

それが伝えられるのも、ピアノや

音楽が持っている「大きな力」なのだ。

北村智恵先生のお話をお聞きして、

あらためてそんなことを感じました。

■北村智恵先生との対談内容

ちなみに、2024年1月号の北村智恵先生の対談内容をご紹介すると…

【CD1】
●再びご登場！ピアノ教育家の北村智恵先生のご紹介
●「人と違うことに平気であれ」の言葉の意味とは？
●これならどんな子でも読める！音符の教え方
●生徒が自分の知識を利用して知恵で導き出す
●習い始めから「自分の音」を聴くことを教える理由
●子どもに音程や調性を教えるときのコツ
●ブルクミュラーを使ってテクニック指導の実演

【CD2】
●ハノンの音階を指導するときのポイントは？
●毎週連弾のレッスンを取り入れる理由と方法
●障がいのある子へのレッスンで気を付けたいこと
●ピアノと電子ピアノの違いをきちんと説明する
●北村先生が最近のコンクールについて思うこと
●ポピュラーの曲を持ってくる生徒は一人もいない！
●これからのピアノ指導者に求められること
●北村先生のビジョンや目指していることは？
●北村智恵先生にとってのプロフェッショナルとは？

…こんな感じで、どのお話も、
今日からのレッスンで活かせるものばかり。

毎日のレッスンを充実させるお話を、
たくさんお伝えいただきました。

なお、YouTubeチャンネルでも、

北村智恵先生のお話をアップしています。