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何か作品に触れるときに、知っておきたいのが作曲家のこと。
これは子どもたちに音楽を教えるときにも
同じことがいえるでしょう。
今回ご紹介の書籍は、子どもたちでも面白く読めて、
大作曲家が身近に感じられる本。
本日配信の教本メルマガからご紹介です。
★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.331(2014年11月12日配信)より
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『 もし大作曲家と友だちになれたら… 』スティーブン・イッサーリス・著
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今日ご紹介するのは、
という書籍です。
何か作品を演奏する際に、作曲家について知ることは
有益なことだと感じている方も多いでしょう。
作品が生まれた時代背景や経緯などは、
作品を深く知る上で調べておきたいポイントです。
特に、子どもたちが作品に触れるときに、
その作曲家を知っておくことは大切でしょう。
子どもたちが、作曲家を友だちのように感じられたら、
きっと作品への愛着も増すのではないでしょうか。
今回の書籍は、子どものために書かれたもの。
「大作曲家」にまつわる面白いお話の数々が、
子どもたちにも読みやすく紹介されています。
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◆今日のチェックポイント◆
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この書籍の「はじめに」から引用すると、
「なんでベートーベンがグレービーソースをぶちまけたか、
あるときバッハが四百キロメートルも歩いたのは何のため
だったのか、モーツァルトおかかえの床屋が『かんべんし
てくれよー』と困ってしまったのはなぜか(中略)などなど、
ページをめくっていくとそのわけが明らかになるよ。
それでは、はじまりはじまり!」
とあります。
この本は、チェリストであるスティーブン・イッサーリスが
2001年にイギリスで出版した本の日本語版。
「Why Beethoven Threw the Stew」
(なんでベートーベンはシチューをほっぽったか)
というのが原著のタイトルです。
「はじめに」から要約すると、著者が子どもの頃、
女性の先生が、大作曲家について面白く語ってくれた。
その先生は、
「ぼくがかれらと友だちになれるように励まして」
くれたそうです(「かれら」とは大作曲家のこと)。
そこから、ぜひ今の子どもたちにも、
この本を読んで作曲家に出会ってほしい。
そう願って書いたのが本書のようです。
本書で紹介されている作曲家を挙げてみましょう。
○ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
○ヴォルフガング・アマデーウス・モーツァルト
○ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン
○ローベルト・シューマン
○ヨハネス・ブラームス
○イーゴル・ストラビンスキー
作曲家ごとに「これをきいてみよう」という
お勧めの作品の紹介などもあります。
また、巻末には「音楽用語」が掲載されており、楽器や形式、
演奏形態などの「ふりがな」付きの解説もあります。
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◆(2)偉大な作曲家が身近に感じられる子ども向けの本
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小学校の音楽室には、作曲家の肖像画が貼られています。
それらの肖像画の印象で作曲家のイメージが
決まってしまっていることも多いでしょう。
(とくに子どもたちにとっては)
偉大な作曲家というと、天才的で完全無欠、
非の打ちどころのない人間のように思われます。
けれども、やっぱり大作曲家といえども、
私たちと同じ血の通った人間。
ドジをしたりお金に困ったり、ケチだったり…
子どもたちにとって、大作曲家にもそんな人間的な
一面もあると知っておくことは、本書の著者が願う、
「子どもたちが作曲家と仲良くなること」
につながっていくのではと感じました。
文章には「ふりがな」もあるので、
子どもにも読みやすいでしょう。
対象としては小学校高学年あたりから、
といった感じでしょうか。
その面白い語り口とエピソードの数々は、
もちろん大人が読んでも存分に楽しめます。
また、翻訳された板倉克子さんの
読ませる訳が素晴らしいです。
ちなみに、私が興味深いなと思ったエピソードを
いくつか挙げてみます。
○モーツァルトはいつも朝6時に起きていた
○ベートーベンはカップ一杯のコーヒーに60粒の豆を使った
○シューマンは「家計簿」をつけていた
○ブラームスは若い作曲家たちに経済的な援助をしていた
○ストラビンスキーは毎日欠かさず健康日誌をつけていた
レッスン室に一冊置いておけば、生徒や保護者の方も
楽しく読むかもしれませんね。
また、音楽に興味のある生徒への
プレゼントにしても良さそうです。
作曲家が一気に身近な友だちに感じられる一冊。
ご興味のおありの先生は、ぜひ一度
ページをめくってみてください。
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『 もし大作曲家と友だちになれたら… 』スティーブン・イッサーリス・著
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