先生の歌い方が、いかに大切かということですね。
★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.376(2015年10月7日配信)より
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『 音を感じる視唱入門 先生のピアノで歌おう 』 高橋千佳子・著
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今日ご紹介するのは、
という教材です。
ソルフェージュ関連の教材は、教本メルマガでも
これまでいろいろと取り上げてきました。
今回は「視唱」に特化した教材のご紹介です。
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◆今日のチェックポイント◆
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本書の「はじめに」から引用すると、
「楽器の演奏で『歌う』ためには、まず声に出して、自らの
肉体で歌わなければ、と思います(中略)生徒に、活き活き
と、大きい声で、嬉しそうに、楽しそうに歌ってもらうには、
先生自身の姿勢がとても大切だと思います(中略)レッスン
曲でも、この教材と同じ方法で、生徒と一緒に歌って深く味
わってから演奏に入ることをお勧めします」
とあります。
「本書の使い方」からこの教材の特長をご紹介すると、
●先生の伴奏が入る
●伴奏はほぼ左手のみの簡単なもので、空いた右手で
メロディーを弾いたり生徒に指示を出したりできる
●30ある課題それぞれにテーマが設けられている
●課題は各回見開き1ページで2題くらい、4小節前後で短い
●各回には予備練習が設けられている
●「手順」にそって行うと歌いやすくなる
●先生が歌って生徒が真似をする方式
ハ長調の「ドミソ」の和音から始まり、
短2度や長7度などの音程の味わいまで30の課題。
課題そのものは短く、多くないので、
毎回のレッスンで集中してできます。
また、各課題の「解説」も丁寧に掲載されていて、
指導する際のポイントも確実におさえられます。
ちなみに、巻頭にもあるように本書は
「ムジカノーヴァ2012年4月号~2014年9月号」
に掲載された連載記事を一冊にまとめたものです。
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◆(2)先生の歌う喜びはそのまま生徒に伝わる
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私も小さい頃、ピアノのレッスンと同時に、
ソルフェージュのレッスンも受けていました。
聴音や和音の聴き取りのほかに、
「視唱」が取り入れられていました。
ただその課題は、一人で歌ってきちんと音程が
取れていればオーケー。そんな感じでした。
ただ、今考えてみると、音程を正しく取ることは
もちろんですが、もっと大切なのは、
「音を感じ、味わいながら歌うこと」
ではなかっただろうか、という点です。
それぞれの音に託された役割や、
それぞれの音が持つ味わい、
音と音が結びついて生まれる音楽の流れや、
そこから心に届く感情や情緒……
そういう部分にまで、できるだけ近づくこと。
「音を読み歌うこと」とはそういうことなのでは、
と昔を振り返ってみて思います。
ただ、このことをいざ自分が生徒に伝えようと
試みると、それはそれは難しいことに気づきます。
要因として考えられるのは、
「教える者こそ感じ味わって歌う必要がある」
といった部分ではないでしょうか。
本書の著者である高橋先生はこう書かれています。
「『生徒がどう歌うか』より、『先生がどう歌うか』
のほうが私は大切だと思っています」
生徒の視唱力を上げるための教材ですが、
もしかして「指導する人」こそ実践すべきものでは。
そんなふうにも感じました。
いずれにしても、今日からのレッスンで
楽しく視唱を取り入れられる教材であり、
生徒も先生も楽しく視唱を学ぶことができる
一冊であることは間違いないでしょう。
ご興味のある先生は、一度お手に取って
みてはいかがでしょうか。
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『 音を感じる視唱入門 先生のピアノで歌おう 』 高橋千佳子・著
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◆(3)編集後記
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今回ご紹介した教材のご著者である高橋千佳子先生。
数々の有名音楽大学でソルフェージュを教え、
雑誌の連載や講座など多方面でご活躍の先生です。
最近では、カワイ表参道での連続講座が
人気を博しているようです↓
その高橋先生ですが、弊社サービス「ピアノ講師ラボ」
の11月号にご登場いただくことが決まりました。
「音を感じ耳を育てるソルフェージュレッスンの実践」
というテーマで、今日からのレッスンで活かせる
ソルフェージュのお話をたくさん頂きました。
話題の「フォルマシオン・ミュジカル」についても
具体的な曲を挙げてお話いただいております。
エネルギッシュで、とにかく歌がお上手な高橋先生。
内容の豊富さはもちろん、聴いているだけで
楽しくなってくるようです。
内容を少しご紹介すると…
●高橋千佳子先生のご紹介とあのCMの収録秘話
●作曲家の高橋先生が考える「音楽」とは?
●ピアノ教育において最も大切なのは○○
●導入のレッスンは「ソルフェージュ」そのものである
●生徒のリズム感やテンポ感を養うためにできることは?
●子どもに「和音」を味わわせる方法
●経過音と倚音と刺繍音はこうすれば理解しやすい!
●ピアノの先生は声が小さい?表情豊かに歌うべき理由
●「音を感じる視唱入門」から「とんであらわれるラ」
●なぜリズムは「言葉」で表現すると良いのか?
●呉暁先生の「4才のリズムとソルフェージュ」について
●ブルグミュラーで出来る「穴あき聴音」の実践
●グループレッスンで盛り上がる「和音かるた」
●音大受験生のレッスンでのポイントはここ!
●これからのピアノの先生に必要なものとは?
●高橋先生にとっての「プロフェッショナル」とは?
レッスンにソルフェージュの要素を取り入れたい、
という先生にはピッタリの内容かと思います。
10月末日までにご入会いただいた先生は、
この高橋先生の対談CD教材からスタートできます。
それでは今回も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も素敵なレッスンを。
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