子どもの眼の高さで歌おう

北村智恵先生のピアノ教育への情熱を感じる一冊です。

★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.390(2016年1月27日配信)より

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『 子どもの眼の高さで歌おう~あるピアノ教師の記録 』 北村智恵・著

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おはようございます。
株式会社リーラムジカの藤 拓弘です。

今日ご紹介するのは、

「子どもの眼の高さで歌おう~あるピアノ教師の記録」

という書籍です。

著者は皆様ご存じの、北村智恵先生

全国でのセミナーは毎回感動に包まれ、
ピアノ指導の素晴らしさを再確認する。

そんな先生も少なくありません。

また北村先生といえば、

「ピーターラビットと学ぶ はじめてのピアノ教本」

で著名でいらっしゃいます。こちらの教本を
お使いの先生もきっと多いでしょうね。

★参考「ピーターラビットと学ぶ はじめてのピアノ教本(1)」

今回は、その北村先生が「ピアノ指導とは何か?」
を説きつつ、その素晴らしさを描いた書籍のご紹介です。

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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「はじめに」から引用すると、

「よく一般通念で、町のレスナーが音楽大学の講師に比べて
レベルが低いと云われているのは、いわゆる“町のレスナー”
に、教えることに対するプロ意識が欠けているからではない
かと、私は思う。音楽教育の一端を担う『大切な仕事』とい
う意識があれば、“相手はたかが子供”などと云う甘い見方、
考え方など出てくるはずがない。私は、いわゆる『町のレス
ナー』だが、一人の職業人としての町のレスナーの眼で、一
人の社会人としての町のレスナーの眼で、追い続けてきた
『子ども』と『音楽教育』について、一つの思いを書いてみ
ようと思う」

とあります。

また、巻頭と書籍の帯にある、作曲家の湯山昭先生の
推薦のお言葉
がとても印象的です。

『愛と汗による人間連帯の絆で結ばれたこの感動の記録を、
音楽関係者だけにとどまらず、広く一般の読者に心から
推薦したいと思う』

サブタイトルに「あるピアノ教師の記録」とあります。

本書は北村先生が1983年までの10年のあいだに、
記してきた音楽教育への「思い」がつづられています。

音楽教育とは何か?の問いから、グループレッスン、
教材選び、発表会など幅広い内容となっています。

レッスンの様子の描写はもちろん、その背後にある
生徒さんの気持ち、先生の心の動き、感動……

「レッスンする者として忘れてはいけない何か」
どのページにも感じさせられます。

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◆(2)現代のピアノ指導者の心に響く必読の書

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本書の初版は「昭和58年の11月」。
私の手元にあるものが「第12刷」となっています。

30年以上前に出版された書籍にも関わらず、
いまだに増刷されているのは驚きです。

ですがその理由も、本書を読んでいくと理解できます。

ピアノを教える者として、子どもの人生に関わる者として、
決して忘れてはならない「何か」
を教えてくれます。

「グループレッスンの大切さ」の項では、
北村先生の教室でのエピソードがつづられています。

当時グループレッスンがまだ一般的でなかったため、
親の苦情や抵抗なども少なくなったのだとか。

それを「信念」を貫いて結果を残し、親の理解を
得ていく過程はとても心に残りました。

その他、私が読んでみて心に残った文章を
いくつかご紹介してみます。

●「読譜→構成→表現 を一人で体験することによってのみ、
子どもは本物の充実感と自信を得ることができる」

●「技術は、後からでもついてくるが、音楽性というものは、
初めの時期からこそ大切にしないと、あとで取り返しの
つかない人間になってしまうようなことが往々にしてある」

●「過不足のない技術で音楽性の高い曲を選んでやること
―ピアノ教師の大きな使命ではないだろうか」

●「私は、受験とは言え、彼女が『いい顔』をして
弾いてくれるようなレッスンを、いつもしたかったのだ」

●「“学ぶ”ということは“自分が変わること”なのだ」

●「私達レスナーは“ピアノの弾き方は知っていても、『音楽』を
知らない”というような、そんな人間をつくってはならない」

●「ものを習うことの目的は、やはり、自分が
生きて行く上で、自信を持てるようになることである」

●「(発表会とは)指導者である教師が、『自分を問う場』ではないか」

●「私にとって、音楽とは自分自身を語るもの、
音楽教育とは、語るべきものをもった人間を育てること」

30年以上前の書籍なので、時代を感じさせる部分が
あることはもちろん否めません。

ただそれ以上に、ピアノ教育の、本質的で普遍的なもの
感じさせる内容であることは間違いありません。

音楽教育に携わるピアノの先生はもちろん、
子育て中の親にも共感できる内容でしょう。

北村先生のピアノ教育への情熱が込められた一冊。
まだ未読の先生は、お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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『 子どもの眼の高さで歌おう~あるピアノ教師の記録 』 北村智恵・著

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◆(3)編集後記

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今回ご紹介の書籍の著者、北村智恵先生

業界でも知らない人はいないほどの
著名な先生でいらっしゃいます。

嬉しいことに、その北村先生に「ピアノ講師ラボ」
対談にご登場いただけることになりました。

(北村先生の対談は6月号以降を予定しております)

貴重なピアノ講師ラボへのメッセージを
いただきましたのでご紹介いたします。

【北村智恵先生からのメッセージ】

「私が子どもたちにピアノを教え始めた
四十数年前の日本では、子どもたちのための
教材研究など皆無に近い状況の社会でした。

そんな中、一人で国内外のレッスン教材の研究を続け、
自分なりの道を見つけ、孤軍奮闘し「音楽教育」としての
ピアノ・レッスンや指導者のあり方を世に問い続けてきたつもりです。

今、私は自分が元気なうちに、熱心な若い先生方に、
少しでもお役に立つことをお伝えしておきたいと心から
思うと共に、そのような先生方が「音楽」にも「教育」
にも「本もの」を求め続けて行かれる姿勢をもって下さる
ことを願って、そのための後押しをしたいと思っています。

そのようなネット・ワークに少しでも
お役に立てれば幸いに思います」

北村先生の貴重なお話も聴くことができる、
特別なキャンペーン終了までいよいよ「あと4日」

本当にご自身のレッスンを良くしたい先生、
学びへの意識が高い先生。

ぜひこの機会をご活用いただけたら幸いです。

★【ピアノ講師ラボ 新春5大特典キャンペーン】

(キャンペーンは1月30日(土)の23:59までです)

それでは今回も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

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