いつもこのブログをお読みいただき、
本当にありがとうございます。

株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。

今日ご紹介するのは、

「バッハ インヴェンション こころの旅」

という書籍です。

著者は、ピアノ指導歴約60年という杉浦日出夫先生。

数々のコンクールの審査員や、雑誌や書籍への
執筆など幅広い分野でご活躍の先生です。

バッハのインヴェンションといえば、
ピアノ学習者にとって避けて通れない道。

そのインヴェンションの魅力や隠された
謎に迫るのが今回ご紹介する書籍です。

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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「まえがき」からご紹介すると、

「『インヴェンション』にバッハが込めたメッセージを
解明する道のりは、長いものでした。しかし、お父さん
バッハが自分の子どもたちのために『インヴェンション』
に注ぎ込んだ深い愛を、これらの曲を通して知り得たとき、
静かに押し寄せて来る深い感動を味わうことができたよう
に思います」

とあります。

巻末にもあるように本書は、月刊誌「ムジカノーヴァ」
1992年9月号~1994年7月号の連載を大幅に加筆修正したもの。

20年以上の月日を経て書籍化された、
まさに待望の書と言えるでしょう。

本書は単なるインヴェンションの解説書ではなく、
著者が長年にわたり試行錯誤して得てきた経験、

そしてピアノ指導の秘訣が詰め込まれています。

「どんなイメージで子どもたちに弾かせればいいのか?」

「子どもたちにバッハの楽しさを伝えるには?」

ピアノ指導者であれば誰もが直面しがちな、
そうした悩みに、本書は一筋の光を当ててくれます。

目次から内容をご紹介してみましょう。

まえがき
バッハの教育カリキュラム

○インヴェンション第1番
優しい会話

○インヴェンション第2番
さながら雪降る朝のよう

○インヴェンション第3番
上機嫌なバッハ

○インヴェンション第4番
嵐の日に

○インヴェンション第5番
さぁ、元気よく声を掛け合って

○インヴェンション第6番
コントルダンスのごとく

○インヴェンション第7番
佳曲の背景にあるドラマ

○インヴェンション第8番
大笑い

○インヴェンション第9番
悲しみと苦しみを経て

○インヴェンション第10番
爽やかな光、復活の朝、復活の調

○インヴェンション第11番
蛇にのみ込まれた半音階

○インヴェンション第12番
楽譜に見つけた天使たち

○インヴェンション第13番
音に込めたメッセージ

○インヴェンション第14番
罪の象徴、減7度

○インヴェンション第15番
幸せを祈って踊るのさ

引用文献一覧
あとがき

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◆(2)「こころ」で感じられるインヴェンションの魅力

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本書の帯に、

「数十年分の試行錯誤の軌跡を一冊に凝縮」

とあるように本書は、ピアノ指導歴約60年という
著者の杉浦日出夫先生による渾身の一冊。

バッハのインヴェンションについてはもちろん、
著者がレッスンを受けたときの興味深い話、

「キリストの受難」を含めた聖書に関する著述は、
曲の解説の大きなポイントとなっているように感じます。

この点、単なる解説書に留まらず、多角的な目で
インヴェンションを見つめることが出来るでしょう。

私が本書を読んで、なるほどと思ったフレーズを
いくつかご紹介してみます。

「『2、3声部を上手く弾けるようにすること』
『カンタービレを習得すること』『創作すること』
―これが、バッハがクラヴィーア教育で目指したもの」

「バロック舞踏曲を知ることは『インヴェンション』の
重い扉を開くことにつながり、またポリフォニーの世界
に親近感をも持たせてくれる」

「バッハの書法のひとつに、『数を用いて
さまざまなことを表す』というものがある」

「『蛇』はバッハでは『死』の象徴とされている」

バッハの楽譜に隠された秘密が散りばめられている本書、
そのメッセージに驚く人は少なくないでしょう。

バッハのインヴェンションを深く知りたいと
願う人にはぜひ読んでいただきたい一冊。

また音楽愛好家はもちろん、ピアノ指導者にとっても、
価値ある一冊であることは間違いないでしょう。

ご興味がおありの先生は、
一度お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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『 バッハ インヴェンション こころの旅 』 杉浦日出夫・著

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◆(3)編集後記

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あらためまして、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今日は、2017年最初の教本メルマガを書き上げました。

今年も毎週一冊ずつ、私がこれだと思った教本、
曲集、書籍などをご紹介していきたいと思っています。

気付けばすでに437号目。8年半ほどかけて、
437冊の教本や曲集、書籍をご紹介してきました。

どこまで続けられるかわかりませんが…
ご期待をいただける限り頑張りたいですね。

さて、年始にあたって、このブログにてあらためて、
今年の抱負などをお伝えしてみています。

もしよろしければお読みいただけたら幸いです。

★「日本を明るくする力を持っているのが私たちピアノ指導者である」

それでは最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

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